【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ25)

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Blutige Vergangenheit17 ページ25

「なぁアバロン、何やってるんだ？」
「あぁ、A。はよっす」

朝(昼に近い)起きるとアバロンが何やら持っていた。

「これ、フードだけじゃ顔がバレるから」
「…それって」
「そう、Aのカバンの中に入ってた」

アバロンが持っていたのは反面黒の泣き顔、反面白の笑い顔の仮面だった。

「顔を隠して行動してくれないか？少しでも危険を減らしたいんだ」
「…わかった」
「あと、そろそろブーツが汚いから、これとシャツも」
「おいおい…どうしたんだよそんなに」
「…少しでも、生きる確率を増やしてほしいからな。俺の持ってた金、全部だ」
「…いやいや、でも…」
「受け取れって！」
「…ありがとな」

さっそくAはベッドから出てすべてを着てみた。シャツは丈の長さはあっているが、男もんなのか、肩が見えそうなぐらいだった。

「…こうやってみると、暗殺者みたいだな」
「まぁ、実際そうだろ」
「白衣の天使から黒い悪魔か」
「ははっ、そりゃ否定できねぇ」
「まったく…」

アバロンが苦笑いした。

「まったく、最初は俺の方がだいぶ背は高かったのにな」
「いつの間にか追い付きそうだ」
「まだ抜かれねぇよ」
「抜いてやる」
「女が男の背を抜くもんじゃねぇよ」
「…だな」

他愛もない会話をしながら時間をつぶしていた。ふと、Aが思い出したように顔を上げた。

「ちょっとシータさんのとこに行ってくる」
「あ、あぁ…おい、仮面外していけ！」
「あ？」
「仮面付けていくことねぇだろ…」
「まぁ、そうか…」

仮面を机の上において、出ていった。すぐに目的地にたどりついたAはいつものようにノックをした。

「どなたですか？」
「Aです」
「どうそ」

扉を開けた瞬間、シータの顔が引きつった。白衣のAが真っ黒になったのだから。

「どうしたんですか？」
「あぁ…医者、やめたんだ。リランみたいに、人間によって苦しめられてる人を助けたいから」
「てことは…まさか」
「あぁ、蛇の刺繍の男は全滅させた」
「あぁ…ありがとう…」
「A！」

シータと話していると、リランとラウムが抱き着いてきた。

「見てこれ！母ちゃんがくれたんだ！綺麗だろ？」

ラウムの手には緑色の綺麗な石が握られていた。

「あぁ、きれいだ」
「これ、父ちゃんのだったんだって！」
「よかったな」
「…ねぇ、大人しくいい子で待ってたよ？」

ラウムを押しのけてリランが主張した。

「そうだったな。まっとけ！」