【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ22)

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Blutige Vergangenheit14 ページ22

何の前触れもなくメスをつきつけたAに、全員が唖然とした。

「お、おい…何のマネだ！？」
「許せねぇんだよ。きたねぇ豚が…小さな少女を恐怖に陥れるクソ豚は駆除しねぇとな」
「オイ！お前ら！こいつを殺せ！」
「その前にてめぇが死ね」
「うごぁぁぁあああああ！」

ザシュッと音をたてて首を切り裂いた。出血多量で死んだのは確実だった。

「おい…クソガキ！」
「来いよ」

Aはメスを捨て、そばにあったナイフを手に取った。一気にその場は戦いの場となり、多くの男達が暴れまわった。遠くで見ていた誰もがAは死んだと思っていた。だが、奥から出てきたのは血まみれになったAだった。

「お、おい…こいつ…何しやがった？」
「こいつを殺せ！」

今度は総動員でAに戦いを挑んだ。パイプ、ナイフなど、いろいろなもので殴り掛かってきた。総勢数百人。幸い、拳銃はボスの男しか所持しておらず、Aはキズ一つ付けられずに男たちを殺していった。突っ込んできたらよけながら首を裂き、動きが遅いものは容赦なく殺していった。

「なんだあいつ…ばけもんだ！」
「逃がすかよ」

逃げようとする男達を弓矢で撃ち殺し、ついには残り数人までなった。

「…た、たすけてくれ！！」
「たのむ！殺さないでくれ！」
「お前らが死んだら多くの人間の無念が張らされる。簡単に見逃すかよ」

ナイフを突きつけ、振り下ろそうとした時、腕がおろせなかった。

「やめろ」
「…放せ」
「リヴァイ！こいつらみんな首を…お前が一人でやったのか？」
「なぜここにいる」
「てめぇに用があったんでな」
「…放したらきいてやる」
「やめておいたほうがいいぜ。そのうち憲兵が来るからな」
「憲兵が？」
「そうだ。今のうちにずらかろうぜ！」

突然やってきたファーランとリヴァイによって、殺戮は終わった。広間に転がった死体の山は、一人の少女がやったとは思えなかった。

上の階層に戻った三人。

「で、何の用だよ」
「あぁ、俺達の仲間が怪我してな」
「…そうか。わかった」
「待て」

治療に駆けつけようとしたAを止めたのはリヴァイだった。

「着替えろ。きたねぇ」
「…はぁ。A、着替えはあるのか？」
「…家だ。別にいい」
「いや…そうじゃなくてリヴァイは…」
「てめぇ、何人か生き残ったやつがいただろうが。そいつが憲兵にてめぇのこと吐いたらあぶねぇだろうが」
「…わかった」