【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ19)

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Blutige Vergangenheit11 ページ19

翌日からAは一人で診察に回った。アバロンは一か月の絶対安静としておいた。

「次は…ラウムか」

無邪気で笑顔な少年の顔を思い出した。自然に足取りが軽くなった。ノックをする。

「はい！」
「どなたですか…」
「Aです」

一言いうと中から扉をあけてくれた。入り口には小さな男の子。

「ラウム、ノックしただけで扉開けようとするな…人買いだったらあぶねぇだろ？」
「だって、僕知ってるもん。Aだって！」
「…はぁ」
「ごめんなさいね。昨日からずっと楽しみにしてたの」

母親の名前はシータ。この家族は三人家族で父親はしんでいる。姉はリラン、弟がラウムだ。

「今日はどうしたんですか？」
「ラウム、ほら」
「あ、うん」

ラウムは突然服をめくり上げた。そこには大きな発疹。

「…かぶれたな。薬を塗っとけば治るが…掻くなよ」
「だって、かゆいよ？」
「掻いたところが傷になって治らなくなるどころか…最悪―――」
「わー！わかった！言うこと聞くから！」
「そうだな」

ラウムの頭をポンポンとすると、奥から少女が出てきた。

「おぉ、リラン。久しぶりだな」
「…！」

何も言わずにかけよってきて抱き着いた。

「どうした？」
「…ちょっと前に、この子、さらわれたんですよ…ほら、リランも服をめくって」

ラウムと同じように背中を見せた。ラウムとは比べ物にならないぐらい大きなやけどの跡があった。

「なっ…」
「それで…すぐに解放されたらしいんだけど…それ以来口がきけなくて…」
「どういう奴らだった？リラン」
「…」
「大丈夫。僕が懲らしめてあげるから」

Aは自分でも何言ってるかわからなかった。ただ、なぜか助けたいと思っていた。

「…太ってて…髭が長くて…いっぱいいて…拳銃持ってて…腕に蛇の刺繍」
「…わかった」
「ちょっとAさん！？」
「大丈夫、おばさん。僕は強くなったから。リランの火傷はいまなら跡が残らないように出来る。薬を置いておくから毎日塗ってください」
「…絶対に無事に帰ってきてね？」
「帰ってくるまでいい子で待ってたら、いいもんやるよ」
「本当！？」
「あぁ」

Aはリランとラウムの頭を撫でて出ていった。