【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ1)

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Wartime Karriere48 ページ1

Aは、何かに抱きしめられた感触で目を覚ました。

「ん…？」

目をこすってみると、見えてきたのはリヴァイの顔。

「…！？」

なぜこうなったのか頭を回す。

(えっと…リヴァイに泣きついて…リヴァイが寝て…抱きしめられて…寝ちゃったのか)

心地いい。そのまま眠ってしまいそうな安らぎがあった。とはいえ、時刻は起床時間を少し過ぎている。目をこすり、リヴァイをゆする。

「リヴァイ、起きろ。そろそろ時間だ」
「…あぁ…」

Aを抱きしめていた腕は離れていった。名残惜しく思いながらもAはベッドから出て着替えを始める。リヴァイも自分のスペースに行き、着替えを始めた。二人とも着替え終わり、リヴァイが先にシャワーに入った。その間にAは朝食を準備する。リヴァイが出てきたらAも入った。Aがシャワーから戻り、朝食に手を付ける。

「…A」
「んぁ？」
「俺は…お前を地下から連れ出してよかったのかと…今でも思う」

Aが持っていたスプーンをおいた。

「お前には言ってないことがあるが…憲兵から、お前の引き渡しの話が来た」
「…そうか」
「憲兵は、俺の目の届くところにいることを条件としてお前の入団が認められた」
「そうか」
「…お前が、暴走すれば俺はお前を殺さなくてはならない」

Aの顔は何の表情もなかった。いっそ、怒鳴られたりしてくれた方が楽だったかもしれない。リヴァイの脳裏に、夢がよみがえる。Aの前に自分が立ち、憲兵に取り囲まれる。殺さないでくれ、と必死に叫んだ夢を。目を覚ました時、そばで寝ていたAの存在が儚く感じて仕方なかった。

「僕は、自分のしたことを後悔するつもりはない。…それでも、たまに思う。僕が殺した人間も、必死に生きるためにあがいていたんじゃないかと…。僕なんかが、それを断ち切っていいのかと…。僕は、たまに自分のことが分からなくなる」
「…あ？」

唇をかみしめて、うつむく。Aの顔は悲しげだった。

「僕が…普通の人間だったらリヴァイに変なこと考えさせずに済んだのに…僕がいなかったら―――」
「何言ってんだ」
「…だよな、なんでもない。気にしなくていい。別にリヴァイが気にすることじゃない」

Aは無理に作った笑い顔で食べ終わった食器を片づけようとする。その作った顔の裏は、涙であふれていた。