Wartime Karriere37 ページ39
ミケとエルヴィンが出ていったあとも、ハンジとリヴァイは何もしゃべらずに病室にいた。ハンジは報告書を読み、リヴァイは紅茶をすすりながらハンジがエリオから預かったナイフを見ていた。
「…俺が見ていれば、変わったのか？」
「…かわらないよ。仕組まれたことなんだから…」
「地下街よりも地上のが、こいつの為になると思って連れてきたが…俺は、こいつに負担を背負わせただけだった」
「そんなことないよ」
短い会話。おのまま何もしゃべらず、とうとう一時間が経とうとしていた時だった。
「…っ」
「A？気分はどうだい？」
「…あっ、ハンジ、リヴァイ…どうなった？」
「陥落した」
「…そうか。結局抗いも無駄だったのか…」
ポツリとつぶやく。今回の攻防戦は明らかに壁外調査よりも危険が大きかった。それを生き抜いた兵士が恐怖にとらわれることなく、自分を責めている。ハンジはAの逸材性に驚いた。
「…ナイフ、どうなったんだろうか」
「これか？」
「…！なんでっ…」
「エリオとかいうやつが持ってきたぞ」
「そうか、拾ってくれたんだ…運が良かったな…」
「どういう意味だ？」
Aの言い方に違和感を覚えたリヴァイが口をはさんだ。
「…もう死ぬのかもって思った時に、どうせ死ぬなら子供を助けたくて…エリオがその場で立ち止まってたから行かせるためにソレを投げたんだ。…リヴァイに届くと思って」
その瞬間、パシッと乾いた音が部屋に響いた。
「勝手に命を諦めるんじゃねぇ！」
「ちょっとリヴァイ！？」
「仕方ないじゃんか！死ぬかもしれないってときに優先順位を考えて、ちょとぐらい希望を叶えてみようとすることの、何が―――っ…」
「大声出すからだよ…」
わき腹を抑えて痛がるAをハンジが寝かせる。
「A、お前は優しすぎる。自分のために戦わずに他人のために戦ってる。だが…たまにはてめぇの都合を通せ！」
「リヴァイも落ち着いて！ここは病室なんだよ？ほかにも患者さんがいるんだ」
「…ちっ」
リヴァイを椅子に座らせてハンジが一息つく。
「二人とも落ち着いて。とりあえず、私は本部に一度戻るよ。よく話し合ってからリヴァイは帰っておいでよ？それまで帰ってこないでね！帰ってきたら部屋に埃ぶちまけるから」
珍しく低い声で淡々としゃべったハンジに驚く。そのままバタンと扉を閉めて出ていってしまった。
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ミレン(プロフ) - カリンさん» ありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2017年1月25日 7時) (
レス) id: b76c4cbd4b (このIDを非表示/違反報告)
カリン - 本当に楽しい作品です！頑張って下さい (2017年1月24日 23時) (レス) id: 156ef3ff5c (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - お気に入りの登録してくださった皆様、ありがとうございます！決してなりすましではありません；；ｗ心の底から目を腐らせてしまったことへのお詫びと、見てくださった感謝を申し上げたいと思います。 (2015年11月24日 23時) (レス) id: dbdaa525d4 (このIDを非表示/違反報告)
未恋ハンジ(プロフ) - ここに何かコメントおいてってくれると駄作者が犬のように喜んで駆けずり回ります☆ (2015年8月23日 16時) (レス) id: e4550b7e27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御煉 | 作成日時：2015年8月22日 23時
