Wartime Karriere35 ページ37
「…全く、命令口調だ」
エリオは引き返してすぐさま壁にアンカーを打ち込む。子供を抱きかかえ壁の上でおろす。それを繰り返し、やっと全員が運びあがった時、エリオは目を疑った。
「…A?どこいった…」
飛び回ってる兵士はおらず、戦っているはずのAの姿は見えなかった。
「いいか?今からは自分の足で行くんだ。このまま進むと兵士がいる。助けを求めて」
「…お兄ちゃんは?さっきの怖いお兄ちゃんも…大丈夫?」
「…大丈夫」
「それじゃ、またね!」
手を振って走ってく子供を見送る暇もなく壁の中に飛び降りる。先ほどAが戦っていた場所まで戻ってきたとき、自分に向かって飛んできていた何かを見つけた。
「…なっ!」
転がっていたのは、2本のナイフだった。片方は黒ずんでいるが、片方は新品のようだった。それが意味するのは一つ。
「…死ぬつもり…だった…?」
ナイフをポケットに入れ、蒸気の立ち込めていた場所をくまなく探す。だが見つからない。巨人もおらず、生きてるもの全てがなくなったようだった。
「A…食われちゃいないよな…?俺にひっぱたいた礼をするんだろ…おい…」
必死になって探すが、見つからない。ふらふらと歩き回っていると、どこからか音がしてきた。望みをかけて走る。音がしていたのは半壊した民家の中だった。
「A!いるのか!?」
「…リ…オ…」
「どこだ!…っ!」
壁にもたれかかり、ぐったりしているA。わき腹から血が流れており、顔が真っ青になっていた。
「キズが…開いた」
「見ればわかる!!いつから」
「エリオが…探しにきたとき…蒸気で…見えなくて…建物にぶつかった…」
「あのとき…か。すぐに運ぶ!あいにく今は道具を持ってないからトロスト区まで行くよ!」
Aを抱きかかえ、飛ぼうとする。簡単に持ち上がったAに驚きつつもトロスト区を目指して全力でとぶ。トロスト区の病院についたころにはAの意識がなかった。
「クソ…針とか貸してもらえませんか!?」
「かまわないが…医者なのか?」
「調査兵団本部に出向してます」
「…それじゃぁ落ちらの患者さんは任せました」
医師から道具を受け取り、すぐさま治療を行う。運よく血は大して流れていなかった。最後の一縫いが終わる頃、外が騒がしくなった。
「調査兵団が返ってきた!」
おそらく今頃罵声を浴びせられてる頃だろう。が、予想とは違った。誰かが叫んだ一方以外、何の声も聞こえなかった。
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ミレン(プロフ) - カリンさん» ありがとうございます!頑張らせていただきます! (2017年1月25日 7時) (レス) id: b76c4cbd4b (このIDを非表示/違反報告)
カリン - 本当に楽しい作品です!頑張って下さい (2017年1月24日 23時) (レス) id: 156ef3ff5c (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - お気に入りの登録してくださった皆様、ありがとうございます!決してなりすましではありません;;w心の底から目を腐らせてしまったことへのお詫びと、見てくださった感謝を申し上げたいと思います。 (2015年11月24日 23時) (レス) id: dbdaa525d4 (このIDを非表示/違反報告)
未恋ハンジ(プロフ) - ここに何かコメントおいてってくれると駄作者が犬のように喜んで駆けずり回ります☆ (2015年8月23日 16時) (レス) id: e4550b7e27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2015年8月22日 23時