Wartime Karriere1 ページ3
「や…やめてくれ!!」
カツ…カツ…と一定のリズムを刻む足音。その手には鋭利なナイフ。持ち手部分には黒ずんだ後が残る。すべては、血。
「お、俺だって…ああしなきゃ生きていけないんだ!」
「なら死ねばいい」
低い声で男にナイフをかざす。黒いマントに白いマフラー。不気味な足音の正体はブーツ。そして、ブーツに入れ込むようにしてあるダバッとしたズボン。上は肩が見えそうな真っ黒なシャツ。顔はフードでおおわれ、顔には反面黒の泣き顔、反面白の笑い顔の仮面をつけていた。
「…か、金なら渡すから!」
「なら聞こう…」
仮面を外す。顔を見た男は、腕にナイフが首に突き立てられていた。
「お前の魂、どれくらいの価値がある?」
「あぁぁぁあああああああ!」
地下街に響き渡る男の声。首筋の血管をそがれ、絶命した。血が飛び散り、あたりは赤一色となる。
「…この世界は弱肉強食か」
男の懐から金の入った袋を抜き取る。
「僕を、存分に怨め…僕を殺しに来たっていい」
「そのまえにリヴァイに殺されるぞ?」
「…ファーラン」
ファーランと呼ばれた男の手には濡れた布切れと乾いたタオル。彼の腰には巨人と戦うために開発された機械、立体起動装置がついていた。
「憲兵から奪ったのか、ガス」
巨人、とつぶやくフードの人間に、ファーランは不思議そうな顔をする。
「俺たちは巨人じゃなくて、人間から逃げるためにな。さぁ、Aも戻るぞ」
「あぁ…」
A。それはフードの人間の名前。Aの名前を知る人間は少ない。そして、Aが女であることも。Aは、フードとマフラーをとる。そして家の中に入る。
「リヴァイ、戻ったぞ」
「あぁ」
リヴァイと呼ばれた男は短く返す。背は小柄だが、体にバランス良く筋肉がついている。
「A、とりあえず体を洗って来い」
「わかってる」
洗う、といっても水でこすって落とすだけ。地下街では大量の水で洗い流すことはできない。Aが体を洗い終わって拭きながら部屋に戻ると食べ物が並んでいた。
「いただきまーす!んぐ、うんめぇ!」
「イザベル、汚すんじゃねぇ」
イザベルと呼ばれた少女は目を輝かせて食事を食べていた。リヴァイは小さく舌打ちをしてAに水と食事を出す。
「お前も食うだろ?」
「あぁ、これを食ったら出かける」
「わかってる」
Aは何もしゃべらずに食事を食べ、片づけた後静かに出ていった。向かった場所は一軒の家だった。
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ミレン(プロフ) - カリンさん» ありがとうございます!頑張らせていただきます! (2017年1月25日 7時) (レス) id: b76c4cbd4b (このIDを非表示/違反報告)
カリン - 本当に楽しい作品です!頑張って下さい (2017年1月24日 23時) (レス) id: 156ef3ff5c (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - お気に入りの登録してくださった皆様、ありがとうございます!決してなりすましではありません;;w心の底から目を腐らせてしまったことへのお詫びと、見てくださった感謝を申し上げたいと思います。 (2015年11月24日 23時) (レス) id: dbdaa525d4 (このIDを非表示/違反報告)
未恋ハンジ(プロフ) - ここに何かコメントおいてってくれると駄作者が犬のように喜んで駆けずり回ります☆ (2015年8月23日 16時) (レス) id: e4550b7e27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2015年8月22日 23時