Wartime Karriere5 ページ7
アバロンという男は、Aを部屋に通すと紅茶を持ってきた。
「んで？お人形ちゃんがオレに何の用かい？」
「髪を染めたい。アバロンならできるだろ？」
「ん、できるが…オレはお前の髪の色好きだぞ？」
「何でもいいから染めろ」
へいへい、と言って戸棚からクリームとビニールのマントを取り出してきた。
「水場に行こう。…勿体ねぇなぁ」
「うるさい」
先ほどのマスター、そしてアバロンは地下街の仲間以外でAが女だと知ってる唯一の人間だ。Aが女だと知ってるのは全部で自分含め５人。水場に移動したAとアバロンは、さっそく髪にクリームを塗っていった。
「しかし、違法だと知ってて頼るから悪いよなお前」
「違法なんて言葉、とっくに切り捨てた」
「おー、怖い怖い」
クリームを全体に塗り込み終わり、ふぅと一息つきながらアバロンは喋り始めた。
「お前の噂は憲兵から聞いた。立体起動で飛び回る悪魔だか人形だか…強くなったもんだ」
「何でお前のが背が高いかわかんねぇ…男が羨ましい。…技術はアイツには敵わねぇよ。特にナイフ」
「リヴァイか？アイツは異常だな…だが、お前のが背はだいぶ高い」
「アイツが低すぎる…それよりまだかー？」
「もうそろそろか？んじゃ、流すから目をつむれよ」
水をザバーと、かける。Aは流れる水の音に耳を澄ませながら、気持ちいいと思った。
「終わったぞー、そこにタオルがるから拭いて来いよ」
「あぁ、悪いな」
「そう思うなら、いい加減地下から出て来いよ」
「お前みたいに運はよくないんだ。居住権なんて…いや、まてよ？」
「どうした？」
Aは、数日前にやってきた老人を思い出す。
「もしかすれば、住めるかもな」
「なんだよ？」
「まぁ、よくわかんねぇけど調査兵団が僕らを捕まえに来るらしい。その中の幹部の男を殺して資料を渡せば金と居住権がもらえる。…っていう、話だ」
「ずいぶんとうまい話だな。勝算は？」
「さぁな…ただ、嫌な予感がする」
「お前に言わせるとはな。そろそろ憲兵がつぶれる今ぐらいからなら裏口から地下に戻れる」
「了解、助かったよアバロン」
アバロンに言われたとおり、憲兵は酔いつぶれていた。その隙に裏口から地下街へとつながる通路へと向かった。先ほどの男たちはAの顔を見た瞬間、凍り付いたような顔になった。
「…お前らも、この国の犠牲者か」
小さくつぶやくと、いくらかの金を一人の男の腕にねじ込んでいった。
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ミレン(プロフ) - カリンさん» ありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2017年1月25日 7時) (
レス) id: b76c4cbd4b (このIDを非表示/違反報告)
カリン - 本当に楽しい作品です！頑張って下さい (2017年1月24日 23時) (レス) id: 156ef3ff5c (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - お気に入りの登録してくださった皆様、ありがとうございます！決してなりすましではありません；；ｗ心の底から目を腐らせてしまったことへのお詫びと、見てくださった感謝を申し上げたいと思います。 (2015年11月24日 23時) (レス) id: dbdaa525d4 (このIDを非表示/違反報告)
未恋ハンジ(プロフ) - ここに何かコメントおいてってくれると駄作者が犬のように喜んで駆けずり回ります☆ (2015年8月23日 16時) (レス) id: e4550b7e27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御煉 | 作成日時：2015年8月22日 23時
