序章 ページ1
其の悪夢が何色かと問われれば、きっと純白の色だ。
柔らかく優しいのに、冷たくて残酷な白い闇。
今日も丁度其の夢を見て居た。
_____其れが何時だったか等忘れたけれど、握ろうとした君の手が酷く冷たかったから、冬の事だったんだろう。
『お握り作ったんだ。一緒に食べよう?』
背を向けて座る君に、私は無邪気に声を掛けた。
「・・・今は、要らない」
何時もなら喜んで飛び付く君の様子がおかしくて、私は首を傾げた。
そして君の表情を見て納得した。君は辛そうに俯いて居たから。
『今度は何の悩み?』
私は君の悩みを聞くのが、特技だった。
何か有効な助言を渡せる訳でもなかったけれど、唯話を聞いて、くしゃくしゃと頭を撫でてあげると、其れだけで君は嬉しそうな顔をして居た。
「・・・世界の事も大人の事も子供の事も、皆嫌いだ」
君が唐突に発した一言に、私は頷いた。君の相談は、何時もこうして突然に始まった。
「・・・でも」
君はそこで言葉を切って、何か決意した様な表情で私を見た。
「何時も偽善臭いAの事が、一番嫌いだ」
時間が凍った。
私は何も云えず、君の目を凝視した。
「・・・もう二度と話し掛けないで呉れ」
君は絞り出す様に云って、何処かに行った。
偽善なんかじゃない、あれは本心だ。
そう云い訳したいけど、
君はもう私の横には居ないんだから仕様がない。
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☆天香☆ - 蟹江さん» ええええええっ!?(歓喜)蟹江様の作品大好きでいつもいつも笑わせて頂いて居るので、まさかそんな蟹江様が僕の小説を読んで下さるとは思わず、超嬉しいです!語彙力の塊ってそれは貴方様では・・・!?本当に嬉しいです、有難う御座います!更新頑張ります! (2019年11月3日 11時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
蟹江(プロフ) - 貴方様の小説が読みたくて、探してみました(気持ち悪いことして本当にすみません)文才?って云うんですかね語彙力の塊ですね…!?他では見ないような素敵な作品だと思います!更新頑張ってください! (2019年11月2日 20時) (レス) id: 5573998c0c (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - アイさん» こんにちは、コメント有難う御座います!ある意味で思い切りとノリのいい夢主ですよねw万人受けするものを面白く書けない質ですので、新鮮で面白いと言って頂き光栄です!更新頑張ります! (2019年10月20日 20時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
アイ - どうもー、天香さんの参加しているイベントの主催者のアイです!まさか、夢主ちゃんが本当に太宰と心中してしまうなんて・・・驚きです!あまりこのような作品は見ないので、新鮮でしたが、とても面白かったです!これからも頑張って! (2019年10月20日 17時) (レス) id: 2d5f8eb3ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆天香☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amaka00/
作成日時:2019年10月3日 14時