とらわれの ページ2
数ヶ月……
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ここはとある村……大きな館が2つ建っておりその周りには小さな家、畑、店が点々と並んでいる。1つ目の館には”桃瀬”と言うお偉いさんが住んでおりここの村での1番の金持ちであった。
2つ目の館には誰が住んでいるのか分からない。昔は裕福な老夫婦が住んでいたそうだが、その住んでいた老夫婦が亡くなってからは館の管理をする人が居なくなったのか雑草は伸び、庭は荒れ放題…。館の中はそのまま置いてある洋風の高そうな家具が埃を被っている。村の子供たちにお化け屋敷なんて呼ばれたりしている、たまに館に入って肝試しなんてことをするやつもいる、そのため最近は息子であろう男の人が時たま様子を見に来る。
その2人の大きな館がある以外は至って普通の村だ
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表の扉を叩く音が聞こえる
爺やが朝食を運んできてくれたんやろう取りに行かな…。爺やはいつも俺のご飯とか持ってきてくれたり、欲しいもんとか頼んだら持ってきてくれる。まぁ…言えば”お世話係”みたいなもん。初老ぐらいやねんけどこいつほんまに爺さんかってぐらい働く
扉の元まで向かおうとする前に鍵が開かれ爺やの姿が見える
「朝食をお持ちしました豚平様」
『ほい、いつもありがとうさん』
爺やはお盆に乗せた朝食を持っている。
屋敷の料理人さんの顔は見たことないけどいっつも美味しいもん作ってくれるからな、きっといい人やねんやろうなぁ。いつか顔見てみたいわ。あ、俺の好きな漬物あるやん今日はついとるな
「そういえば……」と爺やが思い出したかのように話し出す
「村にあるあの館に家族連れが引越して来たそうですよ豚平様」
『へぇ…そうなん』
「意外と無関心ですねぇ」
しゃあないやん……正直あの館に対して特別な感情はあんま無いんやもん。ちっさい頃に１回見たぐらいやしな……あったとしてもでっかい館やなってぐらいやし
なんならもうどんなんやったかぼんやりとしか覚えとらん……確か昔住んでた人が居ってその子供がそこに引越ししてきただけやろう、俺にはとくに関係ないしな。
とりあえず早く朝食を食べてしまおうと急ぎ足で爺やの元へ行き朝食を受け取る
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作者名：賽は投げられた | 作成日時：2020年9月8日 19時
