長女67 ページ21
アクアside
スタ「はいスタッ！」
というスタッフの声でリハーサルが始まる
リハーサルの途中
ポツっと鳴嶋メルトに雨漏りの水滴が落ちる
すると止めるというスタッフの声が入る
スタ「一旦止めまーす
ちょっとココ雨漏りあるな、そしたらこのカットドリーの速度上げて…｣
とスタッフたちは雨漏りなどについて話している
そして有馬は俺の方にきて話しかけてきた
かな「普通に演技できてるじゃん、何が裏方志望よ」
「こんなの練習すれば誰にでも出来る
他の人の邪魔をしない程度に下手じゃないだけで、僕自身に何の魅力もない」
あの日、有馬かなが見た俺の演技は
あくまで年齢と中身のギャップが引き起こした異質感だ
精神年齢に肉体が追いついた今となっては
俺はどこにでもいるただの役者
「なんか凄い演技を求めてたなら悪いな」
かな「そんな事…まぁちっとも期待してなかったと言えば嘘になるけど、じゅーぶん
アクアの演技、ずっと努力してきた人の演技って感じがして私は好き
細かいテクが親切で丁寧っていうか、自分のエゴを殺して物語に寄り添ってるっていうか……
もしかしてそれは普通の人には分からなくて
長く役者やってる私達以外にはどうでもいい事なのかもしれないけど」
「変に気を使うなよ」
かな「使うわよ、一応これでも座長だし！
主演級の仕事なんて、私にとっては十年ぶりの大仕事なんだから！」
「確かに、最近見ないしまだ役者続けてたのかって思ったし」
そういうと有馬にザクッとダメージが入る
かな「うぐう！…確かに私にとっての闇時代は大分長かったわ
ずっと仕事が貰えず、ネットでは終わった人扱いされて
でも稽古だけはずっと続けて、何のために努力してるのか分からなくて
何度も引退って言葉が頭をよぎって……
だけど！こうやって実力が評価される時期が来たのよ！
本当に今まで辛かったけど、続けてきてよかったって思った！」
と有馬は眩しいぐらいの笑顔でそう言う
かな「だからね、別にアンタがめちゃくちゃ凄い演技しなくたって
アンタがこの仕事続けてるって分かっただけで、私嬉しい
こんな前も後ろも真っ暗な世界で一緒にもがいてた奴がいたんだって分かって
それだけで十分」
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あまね(プロフ) - すき (9月18日 23時) (
レス) @page22 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
Ohata(プロフ) - 面白いです！！変に夢主がでしゃばってなくて読みやすかったです！！楽しみにしてます！！ (2023年5月3日 18時) (レス) @page16 id: 6c4593a5ce (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - めっちゃ続き楽しみにしてます！！！無理せず頑張ってください！！応援してます！ (2023年4月27日 16時) (レス) @page3 id: 81868d4fe0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：田中 | 作成日時：2023年4月26日 19時
