第61話 ページ11
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エルヴィンside
｢何故だッ！！！｣
無駄に大きな音をたて、テーブルを叩く
その衝撃に綺麗に飾られた花は揺れ静かに倒れる
目の前の愚かな男は息を切らし
私をじっと睨みつけている
｢お前の仕業でしょうッ…エルヴィン団長！｣
｢さぁ、何の事だ？｣
｢とぼけやがって！あの男から彼女を引き離せれば彼女は俺のモノになり、お前にとっても男を勧誘しやすいとッ…｣
｢……これだから、頭の悪い金持ちは嫌いでね｣
｢はッ…？｣
金と女にしか興味がない無能な奴に、そんな大切な話をする訳がないだろう。お前はただ私の罠にリヴァイをはめる為の材料でしかない
それさえも見抜けず、
真に受けうるさく喚く姿に呆れて言葉もない。
勧誘しやすい？あぁ、それも間違いではない
だが、正解はもっとリヴァイにとっては残酷なもの
愛する人を人質にとり、
私の力を借りないと救えない状況を生み出す
そこで交換条件だ
予想通りの結果が出すぎて
戸惑ったのは正直なところだが…
｢お前はよくやってくれた。私の思い通りに動いてくれたおかげで、あの男は手に入ったよ｣
｢待て！俺のAはッ…｣
｢……私はお前の事も彼女も興味はない。これ以上、用もないしな…そんなに彼女が欲しいなら勝手にやってくれ。私を巻き込むことはしないでくれよ｣
｢…クソ野郎ッ｣
｢あぁ、よく言われるよ｣
笑ってやると男は目を見開き絶望している。
私は上着を手に取り出口へと向かう。男は失礼なことに見送りもなく、その場に立ち尽くしたままだ
仕方ないなと、振り返り別れの挨拶をかける
｢投資の話はなかったことにしてくれても構わない。私とのこの話も広めてもいいが、お前も一緒に犠牲になると忠告はしておこう。それから、彼女の事だが……｣
｢……ッ｣
｢もう手遅れだ｣
｢何でッ｣
｢…彼女を愛しているのは、あの男とお前だけと思わない方がいい｣
それじゃあな、と手をヒラヒラ振りながら
空気の悪い屋敷を後にした。
あぁ、いい天気だ
こんな壁の中にも青空は存在する
こんなに綺麗な青空さえも偽物だと、壁の外に広がっているものこそ本物だと言う者がいるが…
その通り、壁の外には想像以上のものが沢山ある
私は毎度、一番に本物を見ることができる
その為ならばどんな手段も選ばない
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ゆかり(プロフ) - 途中からずっと泣いてましたwwはてなさんの作品読ませてもらってとても感動しました。ほんとにありがとうございます。 (2021年5月23日 21時) (
レス) id: 927c3428d3 (このIDを非表示/違反報告)
はてな(?)(プロフ) - さき。さん» ご観覧、ご感想ありがとうございます。感動して頂けて凄く嬉しいです！私も、さき。様の言葉に泣きました…。本当にありがとうございます。 (2021年4月15日 18時) (レス) id: 2bed4e8e7b (このIDを非表示/違反報告)
さき。(プロフ) - すごく好きです…！悲しく、苦しい恋もありながら、とても綺麗な終わり方で…思わず泣きました…。こんな素晴らしい作品に出会えたことを嬉しく思います！！！ (2021年3月9日 23時) (レス) id: bc9aead4c2 (このIDを非表示/違反報告)
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