【ＢＬ】学校一のイケメンは、実はツンデレで、俺のことが好きらしい

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「よっすチャラ男」


「おは、チャラ男」


「うるせえ！あのやろぜってえ許さん」



教室に入って早々自分の椅子に乱暴に座る俺に、近くの何人かが視線を寄越す。斜め前に座る女子生徒が呆れ顔で振り返り、これまた呆れた声で言った



「高野がなんか余計なことしたんじゃないのー？」


「はあ？なんの話？」


「あんなヤンキーの彼女がいたなんてねぇ、もっと清楚系が好きかと思ってた」



予想通りの発言に、思わずチッと舌を鳴らす



「彼女じゃねえよ」



そう返すと、相手も予想通りだったのか「あっそ」と気のない返事をした



「変な噂流すなよ、あっちにも迷惑だし」


「神田も悲しむしねー」



背後からのからかう声に腹が立って、声主の頭を1発叩くと「なにすんだ！」とうるさく吠えた



「神田にフラれろ！」


「だから付き合ってねえ」


「あのヤンキー女にもフラれろ！！」


「それも付き合ってねえ！」



俺と吉田の言い合いが加速しかけたところで、朝礼開始のチャイムが鳴る。それに乗じて先生の足音も近づいてきたので、吠える吉田を無視して机に向き直る



「そういえば高野、あの話知ってる？」



先程までの女子生徒がこちらを振り返り小声で話しかけてきたので、「先生が来るから早くしろ」と目で訴える。彼女が囁いたのは、学生としてはなかなかに興味深い噂話だった





……






「転校生！？」
「転校生ねえ……」



この日もいつもの3人に神田を混ぜた4人で屋上まで足を運び、昼食をとる



朝礼前に女子生徒から聞いた噂話を3人に話すと、テンションの上がった吉田がご飯粒を飛ばしながら聞き返すのに対し、トモはさして興味がない様子だった



「あ、俺もそれ知ってる。部活で話してたから」


「流石の情報網の速さだなー、テニス部」


「どんなやつ！？男！？女！？！？」



すごい剣幕で迫る吉田に神田は苦笑いを浮かべ、「男だって」と爽やかに言った



「ああ……そうなんだ。高野この卵焼き貰っていい？」


「わかりやすいなお前。その卵焼きは俺が1番楽しみにしてたやつだからだめだ」







「てか、絶対ワケありだろそいつ」


トモの言葉に、完全にテンションの下がった吉田が「なんでだよ？」と片眉を上げ聞き返す



「だってこんな時期に転入とか、普通ありえねえだろ」



その言葉に「ああなるほど」と納得し、それ以上まだ見ぬ転校生トークが広がることはなかった




何でもいいや、弁当うめえし

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