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「いいなあ、俺にも作ってくれよ神田」
吉田が神田の肩に馴れ馴れしく腕を回し擦り寄る。おいこら近いな、いやいいんですけど
「おめえは母ちゃんがいるだろうが」
「そうだそうだ、我慢しろ」
「嫌だよ!前の日の残り物ばっかだし!」
「いやでも……親さんがせっかく作ってくれたんだし……」
神田の最もな意見に、吉田はウッと詰まる。はっ、ざまあ
「でも、やっぱいいよなあ手作りって……」
ちょっとしんみりして言う俺に、三人はそれぞれの表情を向けてきた
「今日は母ちゃんが作ってくれたけど、毎日ってわけにもいかないしさ。明日になったらまたコンビニ弁当に逆戻りよ」
ハアとため息をつくと、神田の心配そうな瞳が揺れる
彼は箸を握る手に力を込めると、何かを決心したように眉を寄せ言った
「め、迷惑だったらあれだけど……俺が作っても……いいけど……」
「え!いいの!?」
間髪入れず聞き返す俺に、吉田とトモはゴミを見るような目を向けてきたが、そんなものは関係ない
「俺でよければ全然……」
「あざーっす!!」
これでもかというほど頭を下げると、神田は少し驚いていたが、すぐに綺麗に微笑んで言った
「そんなに喜ぶことかよ」
「喜ぶよ、だってこんな美味い飯が毎日食べられるんだぜ?俺は幸せ者だ」
「ばか、そんな大したもんじゃないだろ……」
「何言ってんだ、母ちゃん以外の手作り弁当なんて男の憧れじゃねえか」
「それ、相手が男でも適用されんの?」
吉田の呟きは無視して、冷たくなっている神田の左手をとり自らの両手で包み込むと、彼の握っていない方の手から箸が音を立てて落ちた
「今日から毎日、俺の弁当作ってくれ。頼んだぞ」
「あ、あ……%$€°#>°3##@@#!?」
神田はわけのわからない言葉を発したかと思えば、真っ赤になって倒れた
「なにこれ、新婚のイチャイチャ見せられてんの?」
「吉田、帰るぞ。そろそろ授業が始まる」
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山桜桃(プロフ) - 完結おめです!読み終わりましたーこれから他のBL作品巡回してきます┌(┌^o^)┐ホモォ、、、() (2020年4月28日 6時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
山桜桃(プロフ) - ご、、ごめんなさい!下の人がコメントしたので通知が来て「暇だから読んでみっか」と思って読み始めたら、、エグいです、、、可愛すぎて無理、、、「萌えます」の一言で終わらしちゃダメなやつ!!!!あっ私、下のカラ松ガールです。本当に読む手が止まりません! (2020年4月28日 5時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 萌えますねぇ。ちょっと逝って来ます、どこに?それ聞きます?? (2020年4月28日 2時) (レス) id: cfb86d3e94 (このIDを非表示/違反報告)
なんじゃらほいほい(プロフ) - カラ松ガールさん» まじですか……嬉しい (2019年12月1日 4時) (レス) id: 8999d0f4f9 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - 萌えます (2019年11月28日 0時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なんじゃらほいほい | 作成日時:2018年4月5日 11時