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「折角揃ってますしね〜!行きましょ!是非!」
「大賛成〜♡」
としのぶと蜜璃かそれぞれ両腕を組んでくる。
ああ、これは駄目だ、逃げ場は無いかもしれない。
嬉しそうにしてる両サイドの可愛い二人を見て看過されてしまった私は。「うん、いいよ私も行く!」と答えてしまった。
その言葉を聞いていた宇髄は「マジ?」と目をまあるくしている。無理もない筈だ、何たって不死川実弥がいる現場に望んで居合わようとする事なんて一度たりとも無かったから。
その隣で不死川もこちらを見てギョッとしているようだった。
「いいよ、折角だもん」
(あいつと、話さなきゃいい話。一番遠い席にすればいい)
こうして私達一行は飲み会の店へと向かうことになった。
煉獄が事前に予約していてくれた店は立派なお座敷で、本来なら宴会などに使われるんじゃないかというくらい広かった。私が想像してたのは普通の居酒屋でテーブル席かと思っていたのでかなりびっくりした。
私はというと一番端の席を陣取り、隣が蜜璃、真ん前がしのぶ、しのぶの隣が義勇といった感じで、宇髄は反対の斜め端に座る不死川の隣にいた。
きっと宇髄が、ある程度気遣ってそうしてくれたんだと思う。私と不死川が一番遠い位置になるように。
その辺相変わらずよく気の回る男だこと。
「「「「「「「「かんぱ〜い!」」」」」」」
「そーいえば悲鳴嶼は今日どうしたの??」
「ああ、悲鳴嶼さんはどうしても都合がつかなくて今日はパスという感じです」
「そうなのね、それは残念だね。それ以外が揃ってるのがかなりすごいよ」
「宇髄さんの行動力のお蔭ですね」
パクパクと食べすすめながら懐かしい旧友と話すのは何だか心がじんわりと暖かくなった。このメンツが私は好きだった。
何故つるみ始めたのかはよく覚えていない。しのぶは同じクラスで仲良くなって、宇髄と不死川と一緒にいたら、自然とこのメンツが集まってきて、こうなった。
あの頃は、楽だったなあ。
何も気にせずに。
「それで、お聞きしたいんですが…」
「ん?どしたしのぶ」
「あの、不死川さんとは…まだ…?」
コソリ、声を潜めて聞いてくる。
聞こえてるのは蜜璃と、義勇は正直聞いてるか分かんない程度。
「………うん、何も変わってないよ」
「そう、でしたか…」
「何なんだろうね、自分でも良くわかんないの」
口に含んだ冷やしトマトは少しだけ酸っぱく感じた。
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ふぐひらめ - はぁああぁ……最高……(溢れ出る幸せ) (2021年12月5日 22時) (レス) @page21 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
星空 - 続きが気になる!更新頑張って下さい! (2021年3月5日 8時) (レス) id: 8e029f144e (このIDを非表示/違反報告)
あゆゆ - ぎゃぁぁぁぁっっ!!え、死ぬんだけど笑笑実弥が一番好きなのでもう心臓もげそう笑続きめちゃ気になるー!!更新頑張って下さい! (2020年11月28日 1時) (レス) id: b8364d44bb (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - 花さん» 小鳥ちゃんの愛称で呼んで頂けて嬉しいです…!ツンデレ小動物小鳥ちゃんこれからも宜しくお願いします! (2020年11月20日 22時) (レス) id: d7b92a39ba (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - おはぎとだんごさん» 嬉しいです…(号泣) (2020年11月20日 22時) (レス) id: d7b92a39ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷雨 | 作成日時:2020年11月10日 13時