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「お、おいA引っ張んなって」
宇髄の袖を引っ張って通り過ぎていく。
通り過ぎる間、男からの視線を感じ取りながら私はそれでもガンとして彼を見なかった。
スタスタと歩いて少し落ち着いたとこで止まった。
「お前ら相変わらずなあ……まだ駄目なのか？」
「……………うん…」
俯いてしまう私に宇髄は背中をポンっと優しく叩いた。
「ま、しゃーねーこった。無理矢理する事でもない。無理なら無理、嫌なら嫌、だな」
「…………ん」
ごめん、そう呟いた私に「気にすんな」と宇髄は声かけてくれた。
「昼飯早く食おーぜ！昼休み終わっちまう！」
「……うん！食べよう」
宇髄は私の何を責めるわけでもなく、一緒にいてくれる。高校で出会ったときからずっとそう。
彼がこうしてくれるお陰で、私は今もなんとなく落ち着いた平和な生活を送る事が出来ている。感謝はしてるのだ。本当に。
久々に見かけたあの銀髪を思い出して、ぶるり、身震いがした。
まだ、駄目だ。
やっぱり、駄目だ。
集団を見て吐き気がする。
…………怖い。
だけど、胸がチクリと痛む。
そんな感情に取り憑かれてもう二年は経ったんだ。
こんなの早く止めにしたいのに、解放されたいのに、楽になりたいのに出来ない。
「…………やだな、ほんと」
吐き捨てた台詞は隣でご飯を頬張る宇髄には聞こえていない。
宇髄だって、やり辛いだろうになあ。
私といたら。
宇髄は高校の時からあの男と仲が良かった。というより今も良いのだ。二人でキャンパス内歩いている所もよく見かける。
けど、その中には私は入らない。
絶対に、入らない。
どうしても、あの男が、
_______________不死川実弥が、嫌なのだ。
嫌気が指すのだ、彼にも、自分にも。
だから関わりたくない。
いつもいつも、キャンパス内で彼とすれ違う度に彼は声を掛けてこようとしてくる。
けど、私はそれを全無視。
目線すら合わせられない。
いつからこんな拗れた関係になっちゃったかな。
『さーねみ！』
『A！』
遠い遠い昔の記憶がよぎる。
ああ、そんな頃もあったっけなあなんて。
まだ、何も無かった気付かなかった、ひたすらに純粋無垢だった頃の私達の思い出。
私達、これでも"幼馴染"って言ったら笑うでしょ？
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ふぐひらめ - はぁああぁ……最高……(溢れ出る幸せ) (2021年12月5日 22時) (
レス) @page21 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
星空 - 続きが気になる！更新頑張って下さい！ (2021年3月5日 8時) (レス) id: 8e029f144e (このIDを非表示/違反報告)
あゆゆ - ぎゃぁぁぁぁっっ!!え、死ぬんだけど笑笑実弥が一番好きなのでもう心臓もげそう笑続きめちゃ気になるー!!更新頑張って下さい! (2020年11月28日 1時) (レス) id: b8364d44bb (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - 花さん» 小鳥ちゃんの愛称で呼んで頂けて嬉しいです…！ツンデレ小動物小鳥ちゃんこれからも宜しくお願いします！ (2020年11月20日 22時) (レス) id: d7b92a39ba (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - おはぎとだんごさん» 嬉しいです…（号泣） (2020年11月20日 22時) (レス) id: d7b92a39ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷雨 | 作成日時：2020年11月10日 13時
