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「さーねみん、何食べてるのー?」

「あ?おにぎり」

「いつもコンビニ食なのに珍しいねー!」

「まーな」


昼休み、中庭で朝貰った包みを広げているとわらわらと女共が集まってくる。正直いって鬱陶しい。移動する度ちょろちょろと何処でもついてきやがる。

顔も名前も分かんないような女共と食う昼飯ほど味気がないもんは無い。




「…うめェ」





でも今日は少しだけ違った。


朝、Aから貰ったおにぎり。昨日の礼だと本人は言った。そういう所が相変わらず律儀な奴だと思う反面、まさか貰えるとは思っていなかった為内心かなり面食らってた。

梅と昆布とおかかの3つ。それとタッパーに切り分けられた果物が少し。なんとご丁寧に果物までついていた。Aの手でちゃんと握られたおにぎりだと思うと自然と食欲が進み、なんだかAの優しさを感じるような気がした。



『実弥!今日ね、ママとねえ実弥が好きなおはぎ作ったんだよ〜!あげるね!』



懐かしい思い出がフラッシュバックする。

あいつの作ったおはぎ、美味かったな。なんて考えていたら自然と口元が緩んでしまった。



「さねみん今日なんか機嫌よさげー?」

「さあな」

「ねー今日は飲みに行こうよぉ〜」

「行かねぇって」

「えええ〜いつなら良いのぉ」



五月蝿えなあと思いながら講義終わったらどうするか考えていた。あいつは頑として迎えに来るなと言ってくる。

昨日はたまたま皆がいて飲みの帰りだったから上手く丸め込めたけど、普段の時はそうはいかねえわなあ。

つくづく幼馴染のガードの固さにはお手上げだ。



しゃーねえ。大人しく今日は帰るかぁ。

おにぎりと果物を食べ終えた所でふと、包んであったハンカチに目がいく。



この柄、確か。






「…………俺がガキんときあげたやつだ」




かなり色褪せて初めは気付かなかったが、よく見ると小学生の頃に修学旅行のお土産で、Aとお互いに買いっ子した時に俺からあげたハンカチだ。

まだ持っていやがったのか。




こんな昔にあげたもの、なんなら捨ててあってもおかしくはないと思っていたのだが。色の褪せ方から、何回も洗濯して使い込まれているのが分かる。


そんな、大事そうに持たれていたなんて。






(…………俺の事が、嫌いな訳じゃ、ない……とか?)






なんて、少しだけ甘い期待を寄せてしまう。






「……………これは、反則じゃねェ?Aさんよォ、」








無自覚なのか、否や、である。

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ふぐひらめ - はぁああぁ……最高……(溢れ出る幸せ) (2021年12月5日 22時) (レス) @page21 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
星空 - 続きが気になる!更新頑張って下さい! (2021年3月5日 8時) (レス) id: 8e029f144e (このIDを非表示/違反報告)
あゆゆ - ぎゃぁぁぁぁっっ!!え、死ぬんだけど笑笑実弥が一番好きなのでもう心臓もげそう笑続きめちゃ気になるー!!更新頑張って下さい! (2020年11月28日 1時) (レス) id: b8364d44bb (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - 花さん» 小鳥ちゃんの愛称で呼んで頂けて嬉しいです…!ツンデレ小動物小鳥ちゃんこれからも宜しくお願いします! (2020年11月20日 22時) (レス) id: d7b92a39ba (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - おはぎとだんごさん» 嬉しいです…(号泣) (2020年11月20日 22時) (レス) id: d7b92a39ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氷雨 | 作成日時:2020年11月10日 13時

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