104話 ページ5
sideA
リビングに戻って来ました。
私が座ると問答無用で私の膝上に頭を置く弟。
A『玄弥、離れなさい。』
玄弥｢…嫌。｣
はぁ。
A『本に集中してただけですよ？無視したわけじゃ…』
玄弥｢部屋で何してたの。｣
A『課題。玄弥は課題大丈夫ですか？』
玄弥｢…｣
大丈夫じゃなさそうです。
そういえば……
真ん中の髪を梳く。
A『結構伸びましたね。切ったらどうですか？』
ということで、
顔馴染みの美容院に来ました。
ついでに私も兄も整えてもらいます。
ちなみに玄弥は女性と話せないので男性の美容師さんがついてます。
｢Aちゃん、彼氏さん居る〜？可愛いからカッコイイ彼氏さん居るんでしょ？｣
なんか両サイドから殺気が……
｢実弥さんは彼女さん居ないんですかぁ？｣
実弥｢居ねェよ。｣
A『胡蝶先生と仲良いですよね。』
実弥｢バーカ、仕事の同僚だわ。｣
天元｢チィーッス｣
わぉ…
実弥｢あ"？｣
天元｢お？あっ。可愛くして貰ってんのかぁ？｣
｢宇髄さんとAちゃんって知り合い？｣
A『は、はい。学校で…』
天元｢おいおい。恥ずかしがるなよ。堂々と言ってやれ。結婚しますって。｣
美容院の女性方が大絶叫…
私、もしかして死ぬ…？
A『せ、先生はどこに行っても人気ですね…』
ははは…
天元｢随分と他人行儀じゃねーの。いつもみたいに天元さん♡って呼べよ。｣
そんな呼び方してないです…
玄弥｢姉ちゃんから離れろ！｣
天元｢早く姉ちゃん大好き症候群治せって。｣
知らない病名つけられてる…
天元｢終わったらデートしようぜ。久しぶりに。｣
実弥｢行かせると思うんじゃねェぞ…｣
左を向いたら死ぬかもしれない。
玄弥｢姉ちゃん!!早く結婚しないって言って！｣
えぇ！？
天元｢婚姻届書いて指輪もあるってのにか｣
美容院変えようかな……
実弥｢指輪は知らねェぞ！？おい、Aっ！なんで兄ちゃんに何も言わねェ！｣
A『え、あの…』
玄弥｢…姉ちゃぁ…｣
凄い泣いてる…！
玄弥｢お嫁に行っちゃダメ…｣
｢玄弥くんだって実弥さんだって彼女作ってさ、結婚するんだよ、きっと。｣
玄弥｢やぁ…姉ちゃんはどこにも行かねぇもん…｣
早めに終わった兄弟に両手を握られて髪切られるのは初めてです。
天元｢別な日にデートな。｣
この人の諦めない心は見習いたいですね。
続く (更新停止中)
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作者名：ペテン師 | 作成日時：2020年11月11日 21時
