お金が18枚 ページ18
「どっ、どういう事だ？」
予想していたものとは全く違う答えが返って来て狼狽えた。それに加えて、変な汗が背中をつたっていくのがわかった。
「なんでかはわからないんだけど、今年は体育祭で女装男子と男装女子のペアが1組だけ踊るんだって。
それで誰が踊るってなった時に、俺が推薦されたらしくて...お願いされて断りきれなかった。」
待て待て待て。本当に意味がわからない。え、何。瑞、告白されてなかったの？
「...なら“告白された”ってのは？」
「だーから、女装してくださいって告白されたんだってば。」
そう瑞が放った言葉を聞いた瞬間、俺は全身の力が抜けて床に倒れた。
なぜなら安心したから。
もし瑞が告白を受けてたら、彼氏？を大切にしたいからもう俺と2人で過ごす事はない。とか言われてたかも知んないじゃん。
あー、そんな事がなくて本当に良かった。
急に俺が地面に突っ伏したのに驚いたのか、キョトンとした顔をして、地面に倒れた俺の近くに近づいてきた。
「何、どったの。なんで急に倒れた。おーい、京介？」
そしてつんつんと俺の頭を人差し指でつつきながら聞いてきた。
いや、こうなったの瑞のせいだからね？
まぁとにかく勘違いした俺、はっずいんだけど。顔熱いから絶対真っ赤になってるし、瑞に顔を見せらんない。
そう思って、突っ伏していたのを横向きに変えると両手で顔を覆った。
「顔隠さないでよー。ほら 取って。」
瑞は無理矢理俺の顔を覆っている手を外そうとしていた。けど 俺は意地でも真っ赤な顔を見られたくなくて力をぐっと込めた。
まぁでも、ずっとそうしている訳にもいかないから。顔の熱が引いたのを確認して両手をとった。
すると、瑞は俺の手を外す事に全ての力をかけていたのか、後ろに倒れた。
「いてっ、あーもう京介。急に外さないでよ。」
少し怒ったようにいう瑞。
「外せって言ったの瑞だろ？自分に力が無くて外せなかったからって、怒んなよ。」
「いや怒ってないし。」
そうは言っても、ふくれっ面でこちらを見ていないし説得力が無い。
瑞の顔の膨らみを指で押すと、ふーって空気が抜ける音がした。
「じゃあなんで顔をそらすの？いいじゃん、こんくらい。ほら、一緒に教室帰ろ。」
そう言って俺が手を差し出すと、瑞は俺の手を握って言った。
「もー、しょうがないな。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 220人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
shinata(プロフ) - しろくまイルカさん» そんな事があるとは。凄く嬉しいです！お褒めの言をありがとうございます！ (2018年4月14日 19時) (
レス) id: a03130cb88 (このIDを非表示/違反報告)
しろくまイルカ - 右の星を押す→既に投票済みでした。この作品で前にもこんな事が… (2018年4月14日 14時) (レス) id: c6819d9008 (このIDを非表示/違反報告)
shinata(プロフ) - 椎名さん» すみません！ありがとうございます。すぐに訂正させていただきました！ (2018年3月16日 0時) (レス) id: a03130cb88 (このIDを非表示/違反報告)
椎名(プロフ) - あの、多分ですが、瑞くんが京介くんを起こしてるシーンで今日って記載されていたのでもしかしたら間違えたのかな？と思ってコメントしました。お話面白いです！頑張ってください (2018年3月15日 23時) (レス) id: e8fd36654c (このIDを非表示/違反報告)
shinata(プロフ) - ルーさんさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年3月14日 1時) (レス) id: a03130cb88 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：shinata | 作成日時：2018年3月5日 16時
