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お金が10枚 ページ10

無視され続けて3時間が過ぎた。




もうすぐ昼休みを告げる鐘が鳴る。そしたらまた、すぐに瑞に謝りに行こう。

お昼ご飯までも一緒に食べれないとなると、本当に瑞不足で死にそうだ。



早く授業が終わらないかと、待ち遠しくて体が揺れる。



今度こそ、許してもらえるだろうか。それは分からない。だが、俺は知っている。

俺を無視した時の顔。

もしかしたら瑞自身は気付いていないかも知れないけれど、すごく辛そうな悲しそうな顔をしていた。


だから俺を無視する事が本心ではないとわかる。それに、瑞はいつも なんだかんだ俺に優しいし。






頬杖をついて目の前にいる瑞を見つめる。

顔は見えない。

今はどんな表情をしているのだろう。もしかしたら俺の事を考えてくれているだろうか。

それとも授業に集中しているのだろうか。




ふっと横目に瑞の顔がガラス越しに映った。


あぁ、これは真剣な顔。


俺の事も考えつつ、勉強も頑張ろうとして2つとも手に着かない。そんな顔。



...早く鐘がならないかな。









「なぁ瑞。ごめんて、昼ご飯一緒に食べたいから機嫌なおしてくれよ。」



鐘が鳴り 号令をかけ終わった瞬間、俺は椅子から立ち上がる瑞の手を引いてこう言った。

腕を引かれて振り返った瑞の顔は、嬉しい様な何処か気まずそうな、複雑な表情をしていた。



そんな中、瑞はゆっくりと口を開いた。



「...ごめん。ちょっとやり過ぎた。俺も京介と食べたい。」



俺も瑞と喋れなかったから声色が落ちているが、瑞の声色は俺よりもしょんぼりとしていた。

また瑞は目線も落として、まるで俺と立場が逆転したみたいだった。



それだけ、俺を無視した事に罪悪感を抱いているという事だろか。そうなら少し嬉しい。



次に瑞から俺の腕を引いて、椅子から立ち上がらせた。そして、先程の顔など嘘の様に笑って言った。



「食堂行こう。今日弁当作れなかったし。」


「うん。」





俺も瑞の笑顔につられて笑った。

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shinata(プロフ) - しろくまイルカさん» そんな事があるとは。凄く嬉しいです!お褒めの言をありがとうございます! (2018年4月14日 19時) (レス) id: a03130cb88 (このIDを非表示/違反報告)
しろくまイルカ - 右の星を押す→既に投票済みでした。この作品で前にもこんな事が… (2018年4月14日 14時) (レス) id: c6819d9008 (このIDを非表示/違反報告)
shinata(プロフ) - 椎名さん» すみません!ありがとうございます。すぐに訂正させていただきました! (2018年3月16日 0時) (レス) id: a03130cb88 (このIDを非表示/違反報告)
椎名(プロフ) - あの、多分ですが、瑞くんが京介くんを起こしてるシーンで今日って記載されていたのでもしかしたら間違えたのかな?と思ってコメントしました。お話面白いです!頑張ってください (2018年3月15日 23時) (レス) id: e8fd36654c (このIDを非表示/違反報告)
shinata(プロフ) - ルーさんさん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年3月14日 1時) (レス) id: a03130cb88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shinata | 作成日時:2018年3月5日 16時

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