名探偵さんの優しさ ニ ページ10
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「ん……」
乱歩さんが手の平をこちらに差し出してくる。今手持ちのお菓子は無いんだけど……。
さっきその事を色々議論した後にこんなことしないだろうが其れ以外の理由を思いつかなかった為、聞いてみた。
「あの、今お菓子持ってませんよ?」
「分かってるよ」
「え、お手だったりしますこれ」
私犬じゃないんですけどと唇を尖らせる。
「半分正解。こんな暗いんだからはぐれないように手を繋ぐんだよ」
そう言うと乱歩さんはぎゅっと手を絡めてきた。え、あ、え。
せめて心の準備をさせて欲しかった。
心拍数爆上がりだ。
それ正解じゃないじゃないですかという軽口は驚きすぎて声に出せなかった。
推しと手を繋いでる事実に胸が踊ると同時に、手汗をかいてないか心配になってくる。
変に思われてないかチラリと顔を覗くと、
「ねぇ、僕って何歳かわかる?」
もしかして私なんか試されてたりする!?
唐突に聞かれた質問に疑問しか浮かばない。
取り敢えず年齢を答えてみた。
「26歳ですよね」
「そう!Aは19歳。つまり、7歳も下。君はお子ちゃまって訳だ」
「はぁ」
「子供の癖に大人ぶらなくてもいいんだから。もし何か遭ったら誰かに頼る事を覚えなよ。例えば僕とか、ね」
そこでやっと気づいた。
乱歩さんの気遣いに。
ずっとクエッションマークで埋め尽くされていた頭が、一気にビックリマークへと変わる。
憶測でしかないが多分そう言うことだろう。
乱歩さんは夜道、私が一人で帰るのを心配してこんな事をしてくれていた。
そして、あんまり私の身近に年下がいないから、張り切り過ぎていた事すらこの名探偵さんにはお見通しなのだ、きっと。
其れでも伝え方がこんな不器用になってしまう処がこの人のギャップ萌えなのだ。
年上とは思えない可愛さ……。アラサーか、本当に。君幼女だろ……
その後私は限界オタクと化していた。
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オタク - んんんんん尊い...控えめに言って禿げそう(?) (8月3日 3時) (レス) @page16 id: 625a6655ea (このIDを非表示/違反報告)
モカロール(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!文ストのキャラめっちゃかっこいいですよね……!更新頻度あげれるよう頑張ります! (7月20日 18時) (レス) id: 80653f54d7 (このIDを非表示/違反報告)
モカロール(プロフ) - 奏さん» コメントありがとうございます!イケメン大好きなのは矢張り全人類共通ですよね!!更新頑張ります✊🏻⸒⸒ (7月20日 18時) (レス) id: 80653f54d7 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - タイトル&お話最高です!!改めて文ストはイケメンの宝庫だと思いました♥️滅茶苦茶、共感しましたよ…私も面食いなので(笑)これからも頑張ってくださいね。応援しています!!(*^-^) (7月20日 17時) (レス) @page10 id: e4a4033c2e (このIDを非表示/違反報告)
奏 - とっっっっても!共感しまくります‼イケメン最高ですよね…❣更新頑張ってください!応援してます‼‼ (7月19日 23時) (レス) @page10 id: 197e9c1dfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカロール | 作成日時:2023年7月9日 16時