【文スト】面食いですがなにか？

包帯無駄遣い装置さんと喫茶店 三 ページ3

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「Aちゃん、ここに10枚の写真があります。さて、これは誰の為に撮ってきたのでしょう？」



「太宰さん、大好きです。その写真ください。
さっきのは全部照れ隠しです。素直に気持ち伝えられなくてすいません。私、好きな子には虐めなくなっちゃうタイプなので。だからその写真ください」



「わぁ〜。随分積極的だね。従順な子は大好きだよ」



「ありがとうございます、写真下さい」



「はいはい、どうぞ」



「やったぁ！えへへ、武装探偵社の皆さんかっこいいし美しいし、可愛いんですよね〜！！幸せ……。眼福眼福」





そう、太宰さんが持っていたのは太宰さんの職場の方々、基武装探偵社の方々のお写真だ。



武装探偵社の方達はびっくりするほど美形しかしない。何をどうしたらそんなことになるのだ。遺伝子がぶっ壊れてるだろ、絶対。


そんな方達のレア写真！太宰さんが良く撮ってきてくれる。

本当に感謝しかない、ありがとう。大好き。面倒臭いとか疲れるとか狂ってるとか言ってごめんなさい。
心の中で謝り倒しておいた。




矢っ張り仲間にしか見せない表情というか、そんな信頼してる人にしか見せない顔を撮ってきて貰っている。




正直私にはメリットしかないんだけど、果たしてこれは太宰さんにとってメリットあるのか……。


本人が文句を言わずにやってるから口出しはしないけれど疑問に思う。ちらりと太宰さんの方を向くと、




「もう、君ってば顔が良ければ本当に誰でもいいよね」




とむくれてしまった。いつも未来が見えてるかのように振る舞いヘラヘラしている彼だけど、なんだかその姿は少し幼く見えた。



……もしかしたらこれも計算のうちかもしれないけど





「そりゃそうに決まってるじゃないですか。あ、でも……武装探偵社の中で一番かっこいいのは太宰さんって思ってますから」



「……っ。ほんと君って……」




「きゃ、かっこいい〜！乱歩さん開眼してるじゃん！！
福沢さんもいる〜！レアだ！

国木田さん怒ってる顔も素敵！与謝野医師、美しすぎる……。

ナオミさんと谷崎さん仲良くていい、2人の絡み絡み最高！！」





写真に夢中になっていた私は太宰さんが小さく呟いた事なんて聞こえなかった。

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