【黒バス】制御不能な恋情を。2【赤司征十郎】

22.電話 ページ3

プルルルル……


プルルルル……




……ピッ





『はい、桃井です！


赤司くんが電話なんて珍しいねー』




｢もっ、もしもし……｣




『？』




｢藍川です、お久しぶりです……！｣




『藍川……って、



Aちゃん！？ ほんとに！？』





｢今、征くんのスマホを借りてるので……！｣




『ほんとに久しぶりだね！


赤司くん……ってことは、



もしかして同窓会の話？』




｢あ、いや、まぁ……


そうなんですけど｣




断る方の話なのですが。




『……じゃあっ、来てくれるんだね！』



｢えっ｣



『やったぁ〜っ！


みっちゃんもあっちゃんも予定がつかないって


言ってたから、Aちゃんが来てくれるなら


すっごく嬉しいなっ！』




電話の向こうの可愛い声が、


ひたすら嬉しそうにしている。




どうしましょう、と征くんの方を見ると、


……とてつもなくにこやかに、



佇んでいた。



｢(まさか、これを狙って……！)｣




すると、電話の向こうの声が少し悲しげになった。




『……その様子だと、


赤司くんと仲直りした、のかな？』





｢ぜ、全然……まだだよっ｣



『あ、そっか……。



赤司くんは、


【すっかり仲良くなった。心配するな】


って言ってたけどねー』




い、一体どこからそんな自信が……。




｢……うん、心配してくれてありがと。


また連絡するね｣




『分かったっ！ 元気でね！』






……。





｢断るタイミングを無くしたな｣




私の馬鹿……！




……それにしても、さつきちゃん、




変わらない、なぁ。





明るくて、優しくて、



ちゃんと、周りのことも見ていて、



私の心配までしてくれて。




……私が出来なかったことを、




さつきちゃんは全部している。







だからきっと、私はさつきちゃんに弱いんだ。









✱✱✱✱✱

どうやら今日は、キスの日らしいです。
……らしいんですけどね、赤司くん。

さすがに今日はこの展開でキスなんてできません。

23.対面※誤字修正済み→←21.同窓会

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す