過去篇・十 ページ14
「何……それ…………。
征くん……
何、するの……?」
眼前で、
金属が擦れるような音が、
鳴り響いた。
「何って、
お仕置きだと言っただろう」
「お仕置き……って……」
それは、
__________鋏。
「顔がつまらないよ。
……A」
「ひっ……!」
征くんの鋏が、
近づいてくる。
「そうそう、
__________その顔だ」
__________っ!!!
鋭い痛み。
咄嗟に目をつむると、
……太腿に、
温かい何かが、
伝っていった。
「……痛ぅ……」
目を開けると、
鋏で、
太腿が浅く、
傷つけられていた。
「可愛いよ」
……征くんが、
私の太腿に流れる血を、
舐める。
そのまま、
「や……めっ」
「ん……」
傷口を、吸われる。
「なんで……こんなっ」
「まだ、分からないのかい?」
「え……」
「ああ、
……なんで僕は、
こんなに鈍感な君に
……恋してしまったんだろうね」
征くんが……
私に?
違う。
こんなのが、
愛情表現なわけない。
こんなものが、
……恋だなんて。
「いや、だ……」
恋がどんなものかなんて、
私は知らない。
でも、
今の『彼』のいう
……愛情表現は、
受け入れることなんて、
とうてい無理だ。
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アップルミント - めっちゃ面白い!!!! 私も、弱ヤンデレ(←何か弱酸性○オレみたい…)の赤司くんの小説書いてるんですよ!? やっぱり、赤司くんは格好いいですね! 大変だと思いますが、更新、頑張ってください! (2016年9月27日 16時) (レス) id: b3db92abd7 (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ - 面白くてとてもいいと思います! 更新頑張ってください! (2016年8月15日 1時) (レス) id: f52402c866 (このIDを非表示/違反報告)
桜兎 - とても面白いです。更新宜しくお願いします! (2016年8月10日 21時) (レス) id: 18143e7d71 (このIDを非表示/違反報告)
テツナ - 初めて見ましたけどこういう赤司くんもいいですね! (2016年7月26日 15時) (レス) id: 1ce5f9d6f9 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - やっぱり、いつ見ても面白いです! (2016年7月22日 16時) (レス) id: 6ddfbdbf33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:詩夏 | 作成日時:2016年5月22日 11時