一回だけ! ページ35
「Aちゃーん。開けていいー?」
「どーぞー」
静かにドアが開いた。
「…やっぱり、よく似合ってるね」
「梶くんもだよ、かっこいい」
梶くんがかっこいいのは今に始まったことじゃないけど。
なんてノロケ言ったら顔真っ赤にしそうだな。
「そういえば、梶くんは誰呼んだの?」
今日の挙式は身内と友人数名だけを呼んで行う予定だった。
「俺は高校の時の親友と、あと…
あ、もうひとりはまだ言わない。」
「なにそれ…」
私がそう返すと、1度いたずらっぽく笑って
少し真面目な顔になった。
「…ね、キスしていい?」
「後でするじゃん!」
「えー!一回だけ!ね!?」
「が、我慢して!」
「ほっぺだけ!!」
「もー!!分かったよ!ほら!どうぞ!」
「そ、そんなヤケになんないでよ」
そう言って頬に唇をつけた。
「出会ってからまだ3年くらいでしょ?なんか10年くらい過ごしてるみたいだよね」
「…うん、いろいろありすぎたからね」
「今の所何も起きてないからいいけど…変な人には気をつけてよ?」
「それ、式の前に言うこと?」
「…じゃないね」
そんなにおかしくもないのに、その時はおかしく感じて2人で笑った。
「…そろそろいくね」
「うん、後で」
.
.
.
「あと、2分ほどです。」
式の直前、会場の扉の前でお父さんと待機していた。
すると、お父さんの肩が震えだした。
「…え、お父さん?」
「ごめんなぁ、泣かないようにしようって思ってたのになぁ」
「ちょ、もう始まるから!今は我慢して!」
「あんな小さかったのになぁ」
「お父さん!分かったから!しっかりして!!」
結局お父さんは扉が開くまで泣きっぱなしだった。
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rinon(プロフ) - 1作目から読みました!読んでいてすごく面白かったしドキドキしました笑とても素敵な作品をありがとうございました! (2018年10月11日 21時) (レス) id: f99e4cad7a (このIDを非表示/違反報告)
梶くんLOVE - すっごく面白かったです!何度も読み直しちゃうくらいこの作品大好きです! (2018年9月17日 19時) (レス) id: 30bbe2ba04 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 1作目から三日かけて読みました!ものすごく内容が凝っていて、面白かったです! (2018年3月6日 2時) (レス) id: a8be3044ec (このIDを非表示/違反報告)
りょう - 1作目から読ませていただきましたっ!!!本当に楽しかったです! (2018年2月4日 11時) (レス) id: 967f86594e (このIDを非表示/違反報告)
霜架 - 2日で、読みきりました!とっても面白かったです!素敵な作品ありがとうございました! (2017年6月24日 11時) (レス) id: 6ed6169ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:simuko | 作成日時:2015年12月22日 21時