検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:123,122 hit

一回だけ! ページ35

「Aちゃーん。開けていいー?」

「どーぞー」

静かにドアが開いた。

「…やっぱり、よく似合ってるね」

「梶くんもだよ、かっこいい」


梶くんがかっこいいのは今に始まったことじゃないけど。

なんてノロケ言ったら顔真っ赤にしそうだな。


「そういえば、梶くんは誰呼んだの?」

今日の挙式は身内と友人数名だけを呼んで行う予定だった。

「俺は高校の時の親友と、あと…

あ、もうひとりはまだ言わない。」

「なにそれ…」

私がそう返すと、1度いたずらっぽく笑って

少し真面目な顔になった。

「…ね、キスしていい?」

「後でするじゃん!」

「えー!一回だけ!ね!?」

「が、我慢して!」

「ほっぺだけ!!」


「もー!!分かったよ!ほら!どうぞ!」

「そ、そんなヤケになんないでよ」


そう言って頬に唇をつけた。


「出会ってからまだ3年くらいでしょ?なんか10年くらい過ごしてるみたいだよね」

「…うん、いろいろありすぎたからね」

「今の所何も起きてないからいいけど…変な人には気をつけてよ?」


「それ、式の前に言うこと?」

「…じゃないね」


そんなにおかしくもないのに、その時はおかしく感じて2人で笑った。


「…そろそろいくね」

「うん、後で」

.



.



.


「あと、2分ほどです。」

式の直前、会場の扉の前でお父さんと待機していた。

すると、お父さんの肩が震えだした。

「…え、お父さん?」

「ごめんなぁ、泣かないようにしようって思ってたのになぁ」

「ちょ、もう始まるから!今は我慢して!」

「あんな小さかったのになぁ」

「お父さん!分かったから!しっかりして!!」


結局お父さんは扉が開くまで泣きっぱなしだった。

もっと長く→←今日なんだ…。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (191 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
321人がお気に入り
設定タグ:梶裕貴 , 声優 , simuko
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

rinon(プロフ) - 1作目から読みました!読んでいてすごく面白かったしドキドキしました笑とても素敵な作品をありがとうございました! (2018年10月11日 21時) (レス) id: f99e4cad7a (このIDを非表示/違反報告)
梶くんLOVE - すっごく面白かったです!何度も読み直しちゃうくらいこの作品大好きです! (2018年9月17日 19時) (レス) id: 30bbe2ba04 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 1作目から三日かけて読みました!ものすごく内容が凝っていて、面白かったです! (2018年3月6日 2時) (レス) id: a8be3044ec (このIDを非表示/違反報告)
りょう - 1作目から読ませていただきましたっ!!!本当に楽しかったです! (2018年2月4日 11時) (レス) id: 967f86594e (このIDを非表示/違反報告)
霜架 - 2日で、読みきりました!とっても面白かったです!素敵な作品ありがとうございました! (2017年6月24日 11時) (レス) id: 6ed6169ed9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:simuko | 作成日時:2015年12月22日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。