Will get married.【梶裕貴】

今日なんだ…。 ページ34

.



.



.

「…鏡、ご覧になりますか？」

「は、はい！」


ゆっくり立ち上がって、大きな鏡に写った自分は自分じゃないみたいだった。

「よく似合ってますよ」

「なんか…私にはもったいないくらいなんですけど…」


「今日の主役なんですから、もったいなくないですよ」


卒業してから数日後ドレスを選んで、

またそれからしばらく、少しの時間が空いて


いつの間にか式の当日になっていた。


本当に、今日なんだ…。



ぼーっとしていると、私の後ろに見覚えのある2人が写った。


「ひぇー！A！？」

「めっちゃ綺麗…！」


「凛と桐子ちゃん！？来てくれたの！？」

「来てくれたのって、招待したのAでしょ？」

「そうだけど…」


「あー、本当にAに先越されるとかー…ブーケトス私に投げてね！？

あと新郎の友達にフリーのイケメンいない！？」


「桐子今日うるさい」

「どうしたの？」

「この間彼氏と別れたんだって」

「はー…そういうこと」


「ところで今日はうちらしか呼んでないの？」

「うん。身内と友達ちょこっとだけ。
悠も来てるでしょ？」

「あ！そうだよ！受付で待ち合わせしてるんだった！桐子行くよ！！」


「はいよ、じゃ、後でね」

「うん、後で」





相変わらず賑やかだなぁ…


机の上の携帯が震えた。
表示されたのは梶くんの名前。

「もしもし…？」

『あ、もしもし？どう？』

「今準備できてね、凛と桐子ちゃんが来た」

『俺もそっち行っていい？』

「えー？我慢できないの？」

『無理』

「わ、分かったよ。来ていいよ」

一回だけ！→←…結婚しようか

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す