【HQ】あの。そういうセクハラやめてくれませんか【逆ハー】

Stop!-39 ページ14

・








それは、一瞬のことで。





｢な…な、え…｣



私が驚いて固まっていると、及川さんにいきなり笑われた。



｢ちょ、Aちゃん顔真っ赤〜｣



頬を指でつつかれて、身体中の血液が顔に集まるのが自分でも分かる。



｢や、やめてください！！なんなんですか！｣



この気持ちは、怒りなのか、羞恥心なのか、それとも…



｢まぁ、そう怒んないでよ〜満更でもなかったようだし？｣





｢…だ…………い…｣

｢え？｣








・








｢だいっきらい！！｣





なぜ咄嗟にこんなことを発してしまったのか、自分でも分からない。



だけど、私にこんなことをしておいてヘラヘラしているこの人にムカついたのは確かだ。





｢ご、ごめん、落ち着い…｣
｢落ち着けませんよ！！｣



頬に湿っぽいなにかがつたう。





｢…一人にさせてください…｣



｢Aちゃん…｣





・





｢…A？｣



誰かの声がして、バッと振り向くと、





｢堅治…｣





私の顔を見た堅治が目を見開いた。





｢A、泣いて…｣





すると、堅治はハッとして、及川を睨んだ。



｢Aを泣かせたのはお前か｣



及川は何も言わない。





すると、堅治は及川の胸ぐらをつかみ、



｢お前かって聞いてんだよ！！｣



と叫んだ。





｢ちょっと！堅治やめて！！｣

｢妹が泣いてるのに怒らない兄貴がどこにいる！！｣



｢だけど…！やめて…！｣





・





｢…ﾁｯ…A、こっち来い。｣





｢え、ちょっと…！｣





私はされるがままに堅治に引っ張られていった。








・

Stop!-40→←Stop!-38

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す