彼女の全て=この国 ページ23
シャオロンside
sya「何でAってこの国のことそんなに好きなん？」
俺は、Aに疑問に思ってたことを聞いた。
トントンからスパイって疑ってるって言われたら、すぐに飛び降りたって聞いたし。
さっきも殺されてもいいって言うし...
何でそこまでするほどこの国が好きなんか。
我々国の何がAをそこまでさせるんか。
それが気になってた。
Aは、目を伏せてゆっくりと口を開いた。
『私、ここに来る前の国で国王の元に産まれたんだ。それでヒーラータイプの人間でしょ?それは、仲間からしたら嬉しい事だと思う。けど、私はこの力が嫌いで、憎くて...仕方なかった。この能力が、幸せなはずの私の人生を崩したから。』
そう言って1度口を噤む。
そして、数分おいて目を開いた。
その目には、光は見えへんくて、闇に呑まれてるように見えた。
それに驚いてる俺を置いて、Aはまた話しだす。
『幼少期、実の父は私を道具のように扱った。兄も、私を下の存在と見なして蹴って殴っての繰り返し。兵士やメイドには、父に逆らえず雑用や治療だけをやらされてた。唯一優しくしてくれた母は、早い頃に他界。その時泣きながら、『ごめんね。』と言われたのはずっと忘れられない。…元々体弱くて、反抗も戦闘も出来なかったから。3年くらい前かな？捨てられたんだ。』
俺は胸が締め付けられた。
話す声は、恐怖からなんか、悲しみからなんか震えてて。
こんな、普通の女の子がそんな体験をしたっていう事実が俺の心に衝撃を受けてた。
でも、Aは穏やかな顔になって目にも光が戻った。
『でも、森をさまよってた時。...総統様に出会った。身体は傷だらけ、服も薄汚い醜い姿の私に総統様は...』
gr「我々国に来い。きっと幸せの道を歩ける。」
『そう言ってくれたんだ。それで、私は試験に受かって、今こうして幹部になって、幸せに溢れてる。総統様には生きる意味、存在意義をもらった。だから、私に幸福を与えてくれた大好きなこの国に、私を救ってくれた総統様に。恩返し...っていうのかな。どんな形でもいいから、役に立てることがしたいの。...これが私の全てだよ!!』
最後にAはニカッと歯を見せて笑った。
俺は、その姿に見とれてた。
素直に、綺麗やと思った。
『？どうしたの？シャオちゃん』
sya「え...いや、何でもない。」
俺は、なんか恥ずかしなってニット帽を深くかぶった。
sya「...ほんま強いな。Aは。」ﾎﾞｿｯ
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天ーてんー(プロフ) - どうも。天ーてんーです。焼肉弁当と今作で、合作させて貰うことになりました。22話が私のターンで、そこから合作決定ということになります。交互にやっていきますので、よろしくお願いします。私の作品も見てください！ (2018年11月19日 17時) (
レス) id: 0db831385a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：焼肉弁当 | 作成日時：2018年9月16日 15時
