［センラ］S u g a r . (ページ26)

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# Sugar 26 ページ26

溺れるような快楽の波。
求めるように先輩の腰に手を回すとほぼ同時にスマホが声をあげる。
ちらりと見たら画面に映し出された「坂田優」の文字。

「……電話出る?」

ピタ、と静止して聞いてくる。
…ホントは出て欲しくないくせに。

出たらまた後でお仕置きするんでしょ、
いつもみたいに
甘い甘い声で私の名前を呼んで。
簡単に先輩の渦に飲み込んでいくくせに。

「大丈夫、です」

「嘘や」

「…だって、出たらっ…!」

「出たら?」

サラサラの髪の先についた雫が、ぽとりと落ちてくる。

ずるい。あぁもうやだ。
そうやって意地悪して。
どうせ私のことなんかただの欲求を満たす為だけの道具としか見てないのに。

「出たら、先輩、またっ…」

「別になんもせーへんよ」

「優しくできないって言ったのは先輩なのに…!」

絞り出すように言葉を出したら
先輩はじっと私を見つめてきた。
それから微笑んでそれはそれは愛おしいものに接してるかのように優しく頬を撫でてくる。

「そうやね」

「っ、」

「でもな、こんなんになったのはAのせいでもあるんよ?」

「…私の、せい」

「そう。Aがそんな甘い蜜垂れ流してるからな、男は皆興奮すんの」

つらつらと並べられる言葉は信じられる訳もなく
…私のせいでみんなが?
甘い蜜とかどうとか、訳わかんない。

「ほんま罪深い女やわ」

噛み付くように、先輩の口が首元にあてがわれた。