男子校の中に、1人女とか大丈夫なんですか？【twst】 (ページ10)

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上納金と不思議な出会いページ10

You side

学園長「ダメです」

貴『…そこを何とか』

お昼ご飯を食べたすぐ後に、私は学園長室に来た。

案の定、ダメって言われた。

貴『お願いします…問題事が…起きないように…しっかり見張ります、ので』

学園長「ダメなものはダメです」

貴『…うぅ』

あんまりこの手は使いたくないけど…仕方ないか。

貴『…もし、グリムの入学を認めて…くださった暁には…我がブランド【Queen】の売上げの20%を毎月学園に納める…と約束します』

私のブランド【Queen】は世界中で大人気の、コスメ&アクセサリーブランド。

月の売上げは8000万マドルを優に超え、新作が発売されれば10分で売り切れてしまう程。

仮に月8000万マドルを売り上げたとして、そのうちの20%…1600万マドルは学園に渡るという事だ。

はっきり言って全く悪い話ではない…むしろいい話だと思う。

学園長「…分かりました。グリムくんの入学を許可しましょう。ですが、問題を起こせば貴方もグリムくんも退学ですからね」

貴『構いません…ありがとう、ございます…では先にこちらを…』

私は財布から1枚の紙を出し、机に置いた。

机には5000万マドル、と書かれた小切手が1枚。

貴『今、手持ちがないので…来月からは学園の口座へ…振り込ませて頂きます…それでは午後の授業が…始まるので…失礼します』

私は学園長室を後にした。

学園長「これは…本物の小切手ですね…彼女は一体…」

貴『すっかり遅くなっちゃった…早く行かないと…』

廊下を小走りする。

((ﾄﾞﾝｯ

貴『っ…!!』

曲がり角から現れた人を避けきれず、ぶつかってしまった。

相手は男の人だったから、普通に立ってるけど勢い余った私は、尻もちをついた。

？「ってぇ…」

貴『…ぁ、ご…ごめんなさい』

肩より少し長い黒髪、目元には傷があって、普通の人間では考えられない尻尾と、頭部から覗く可愛い耳。

貴『え、えっと…お怪我は…ない、ですか』

？「ねェけど…あ？お前…」

私の頭の先からつま先まで、舐め回すように見てくる。

？「お前…【アイツ】の妹か？」

貴『えっ…？』

アイツ…？

？「レオナさーん!!授業遅れるっスよー!!」

遠くの方から誰かを呼ぶ声。

貴『あっ…私も授業…あ、あの』

？「あ？」

貴『私…ハーツラビュル寮の…A・スノウ・グレイ…といいます…もし怪我して…治療費がいる時は…言ってください…では』

私は深く頭を下げて、廊下を走り抜けた。

？「やっぱりアイツ…」