星降る夜に、また2人で夢を見よう。【超ポケダン風オリジナル】 (ページ6)

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5・昔話ページ6

『僕らは遠い昔、とても仲のいい友達だった。まるで血が繋がった兄弟みたいにね。』

暗い空間に、2つの影が寄り添う映像が流れ始める。
1つは人間。もう1つはよく分からない、へんてこな形の影だ。

『人間の姿をしてるのが君で、もう1つが僕の影。
僕らの住んでいた村には、世界の秩序を護っている、とても大切な巨木があったんだ。』

次に映し出されたのは、確かに巨木と言うに相応しい巨大な木。

『でも…その木は“とある事件“をきっかけに枯れかけてしまった。』

凛々しくそこに立っていたはずの木が灰になって跡形もなく消え去り、ん人間の声ではない、別の生き物達の悲鳴や泣き声が聞こえてきた。

「なに、この声…」

ただ聞いているだけなのに、胸が苦しくて、手や足の細かな震えが徐々に止まらなくなる。

『…あの事件で、世界中で数えきれない程の犠牲者が出た。これは、その犠牲者達の悲鳴だよ。

僕らはその事件の元凶を倒した。作戦は、ちゃんと成功したはずだったんだ。
“あいつ“を倒して、枯れかけていた巨木も命を吹き返した。』

きっと『めーちゃん』は、心の底から“あいつ“を憎んでいるのだろう。その表情はとても哀しそうで、同時に悔しそうでもあった。

『でも作戦は失敗だった。遠い未来、また“あいつ“が更に凶暴になって復活する事が分かったんだ。』

「遠い未来、ってまさか…？」

『めーちゃん』は首を重々しく縦に振った。もう、イライラした雰囲気は残っていない。

『君の予想通り、この時代の事なんだよ。』