星降る夜に、また2人で夢を見よう。【超ポケダン風オリジナル】 (ページ17)

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16・強引な誘いページ17

「ここがおだやか村！のどかで良いところでしょう？｣

『アブソル、本当に大丈夫なの？』

ニコニコした笑みのニンフィアと、困り顔のリオル。1番困っているのは私なのだが、まさかこんな事になってしまうとは思ってもみなかった…。

それはあの街でニンフィアがリオルと共に村へ帰るというので、見送りに出た際の事だ。

街の出口でリオルに再び住んでいる場所を尋ねられた私はいい感じの嘘を思いつくことも叶わず、仕方なく『覚えていない』と告白した。

するとニンフィアから
「それなら私たちと一緒に来ない？」と、思わぬお誘いを受けたのだ。

突然の提案に困惑する私の行き先は

「実はずっと娘が欲しかったのよね。部屋はリオルと一緒で大丈夫？｣

彼女のこの一言によってアッサリ決まってしまった…と、簡単に言えばこんな経緯で私はここにいる。

別にニンフィアやリオルの事を疑っている訳では無い。
リオルは見ず知らずの私を助けてくれたし、ニンフィアの突飛な発言の数々から、彼女もまた悪いポケモンだとは思えなかった。

悶々と色んなことを考えているうちに、ニンフィアとリオルの家に到着した。
木で造られたのであろうその家は、まるでミニチュアみたいで何だか可愛らしい。

「家のものは基本自由に使っていいからね。
で、寝る時はこっちの部屋。後で新しくクッションを持ってくるわ。』

家の中は家具が少なくて、クッションと言えど藁を集めて作った簡易的なベッドのようだ。
病院でもそうだったし意外と寝心地が良いのは分かっているけれど、やはり少し抵抗がある。

『アブソルは学校、行くの？』

「え、学校？」

この世界にも学校なんて存在していたのか。当然私だってニンゲンだった頃は学校に通っていたが、正直そこまで楽しくなかった。
この歪んだ性格がその原因の大半なのだろうが、それがこの世界でも…とそう考えると気が重い。

「そうね、見たところ学校に通う年頃だし。
それじゃ私は早速、手続きに行ってこようかしら。」

どうやらニンフィアの中で、私が学校に通うというのは確定事項らしい。随分と強引なんだなと思いながら、私は反論する理由も特になく素直に首を縦に振った。