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7-5 ページ42

ー太刀川sideー



しくじった、腹に穴をあけられた。

呪力ももう間も無く底を尽く。


だが、伊達君たち全員を外に逃すことはできた。

あとは、俺が可能な限り、時間を稼ぐ…!!



「ぎらィィ、ぉマ“ええええ、は、はははは、ハブるゥゥ、!!」

「喧しいわクソガキが!!!」



もう滅茶苦茶に残った三本の腕を振り回す呪霊。

その様はスーパーでお菓子を強請って愚図る子供のようで。



「き、ラァい"、いいい、しし、し、ねぇ、しねしねシネ"ェェエエエエエ!!!!」



そう叫んだ瞬間、三本の腕が別々の方向から俺の頭を目掛けて突っ込んでくる。

避けようとしたのだが、視界が一瞬ぐにゃりと歪んだ。



血を、流しすぎた。

避けられない。

あぁ、くそ。

こんな、ところで。



走馬灯のように、降谷君の顔が脳裏を過ぎる。

俺達、絶対両想いだったと思うんだけどなぁ。



今際の際だというのに、こんなくだらないことを、ゆっくりと迫ってくる呪霊の腕を見ながら、考えた。



その時。



ドン…と発砲音が響いた。



「な、」



さらに立て続けに二発、計、三発。



直後、向かってきていたはずの呪霊の腕が、弾丸に貫かれて吹っ飛ばされたのだ。

誰が。



思わず体育館の入り口の方を見れるば、凛とした佇まいで拳銃を構える降谷君の姿が。



なんだよ、クソかっこいいじゃないか。

思わず見惚れてしまう。



そんな俺に、



「早く止めを刺せ、太刀川!!」



と、逃げろなんて言わず、俺を鼓舞する降谷君。



「喧しいわ、何戻って来とんねん!!!」

「お前を置いて逃げられるほど、俺の肝は座ってない!!!」



予想外の返しに思わず目を見開いた。

ああ、困ったな。

君が愛しい。



「ィイィダァい、ころ、スゥウウゥ、!!!!

しししね、シネ、ねし、ネぇ、し、ね"ェエエェ、!!!!」



一瞬にして失ったはずの腕を再生させ、襲い掛かろうとする呪霊。

せっかくの情調に、水を差さないで欲しい。



「じゃかぁしいわクソが」



両手をばちん、と合わせる。

その瞬間、左右からの見えない圧力で、呪霊は一気に押し潰される。



「ぎ、ギギギギィィィィィィィいいい、、!」



抵抗を見せる呪霊だが。



「死に晒せボケカスが」



残った呪力を全開に出し切る。

その瞬間、ぐしゃり、と呪霊の体が潰れた。

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マニ。(プロフ) - しまさん» ✉️。あのしまさんのボードに返事送りました!ボード返事待ってます! (2月25日 11時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
しま(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!嬉しいです笑 ボードは滅多に使わないので、イマイチ使い方を覚えてないのですが、それでもよければ是非! (2月25日 8時) (レス) id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!とても面白いです。もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💝 (2月24日 23時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しま | 作成日時:2024年1月28日 1時

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