05/ちよこれいと ページ5
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【松陽視点】
「おや」
授業終わり、部屋を出たところで見えたカワイイ銀髪。いつもそばにいる過保護な白猫さんはめずらしく不在らしい。
ぴよぴよの天然パーマにこっそり忍び寄り、脇の下に両手をセッティング。
綿あめのように軽いその体を持ち上げた。
「ちよこれいとでも食べますか。A」
「ぎゃあああああああ！！？ って、松陽！ 何やってんだよ私で遊ぶな！！」
「遊んでいません。愛情表現ですよ」
「愛っ………率直すぎるし表現するならもっと別の方法でやれ！ 足がぷらんぷらんするでしょ！」
でしょ！ でしょ、でしょ……。
滅多に聞けない女の子らしい口調に、不意の爆撃に無防備に口が開いた。
固まっていたら真っ赤な顔で頬をペちっと仕置されてしまった。
名残惜しく思いつつ、そっと下ろしてやる。
「もうしませんから、そんな仏頂面ではなく、いつものカワイイ仏頂面に戻ってください」
「けっきょく仏頂面じゃねーか！」
「いえいえ。駄目ですよA、しっかり聞いていましたか？ そんな仏頂面とカワイイ仏頂面では天と地ほどの差が」
「分かったもういい！」
そうやって、届きもしないパンチを私の手のひらにぽんぽん受け止められている真っ赤な貴方がカワイイと言っているんですよ。
なんて言えばまた文句を言われそうなので、口には出さずかわりに懐から銀紙に包まれたそれを差し出した。
甘い香りにAの顔がふにゃりと和らぐ。
「それ、ちよこれいとってやつ？」
「ええ。羽場ちよさんからのプレゼントです」
しゅん、和らいでいたAの顔が答えた途端に雲がかった。
……やれやれ、困りましたね。
君のそんな感情を、私が奪うつもりは無かったと言うのに。
「……安心してください。これは羽場さんからAへのプレゼントです」
「え？」
「先日訪れた町の甘味屋で、君がそれはもう熱い視線でちよこれいとケーキを見つめていたからと羽場さんが」
「………」
感激、衝撃、困惑。
三つのややこしい感情に胸を押し潰されそうになっているのかAの目尻はキュッと詰まってゆく。
「ち、ちよ、ってあの髪の短い子だよな」
「はい。まだ部屋にいますよ」
「……あぁ。松陽"も"、ありがとう」
ちよこれいとを受け取り、噛み締めるようなお礼を残すと。
教室とは名ばかりの八畳半の和室に駆けて行った。
「また、上手になりましたね」
ありがとうの仕方。
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佑依佳 - 万屋よ永遠なれは書かないんですか (5月8日 10時) (
レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
佑依佳 - すごく良かったです。パスワードを教えてくれませんか (4月15日 10時) (レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
LIARPIERROT(プロフ) - こちらの作品のパスワードは作者様が作者ページに掲載してらっしゃいます。確認してからコメントしましょう。 (12月21日 20時) (レス) id: 7068d0a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 初めて読みました。とても感動して続きを読みたいと思いました。なので続きを読ましていただきたくパスワードを教えてくれないでしょうか？これからも頑張ってください！！ (11月19日 15時) (レス) id: fd0a1b2f31 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 続きを読みたいのですが、パスワードを教えてくれませんか？ (10月20日 12時) (レス) id: de6a447dfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2018年9月21日 23時
