27/今日からひとつ屋根の下 ページ27
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「完成ー！！」
ちよの大声に続き皆が大きな拍手をする。
数日、数週間、数ヶ月に渡り汗水たらしてやっとこさ完成した新しい『松下村塾』は太陽よりもピカピカと輝いているように見えた。
「皆さん、お疲れ様でした。ご協力本当にありがとうございました」
「何言ってんだよ先生！」
「先生が一番頑張ってたよねー！」
「あたし達、また松陽先生の授業を受けられるんですよねっ」
「とにかく中に入ろうぜ！ 廊下走ろうぜ！」
大好きな『松下村塾』の復活に、松陽も皆も笑顔を咲かせキャッキャと門をくぐって行く。
幸せで満開のキョウダイと父の背中を見送ったAは、その場で突っ立ったまま項をガリガリと掻いた。そして欠伸を一つ。
「立派に出来上がったな、すげーや」
ふにゃりと、嬉しそうに『松下村塾』の表札を見つめた。
「にゃん」
「おう、銀。新しいお家綺麗になって良かったな」
「にゃっ」
「わっ、どうした急に」
笑いかけられるとAの懐に飛び込んだ銀。
その顔は心做しかニヤついており、Aの胸の中から誰かに見せびらかしているようでもあった。
「……」
「高杉、猫相手にみっともないぞ」
「まだ何も言ってねェだろ」
銀をこれでもかと睨んでいた高杉が後ろにいた。
隣には荷物を沢山抱えた桂。
よく見ると、高杉の足元にも大きな巾着袋が二つ程転がっている。
「お前ら、その荷物どうしたんだ？ 寄付金か？」
「なワケねェだろ。もうお坊ちゃんじゃないんだ」
「俺の方は元より貧乏者だからな。Aが期待するようなものは持ち合わせていない。これらは全て私物だ」
「私物？」
Aは銀を抱えたまま首を傾げた。
高杉が呆れたように目を半分にし、巾着袋を両手に持ち上げる。
「言っただろ。勘当されたって」
「帰る場所もこの身を案ずる者も、ここ以外に居ないとな」
二人はそう言うと、実家に帰省するように松下村塾の門をくぐった。
Aはそこまできてようやっと。
「えっ、お前ら、まさかここに住むの？」
「｢当たり前だ｣」
「はぁ！？」
てっきり今までのように松陽と二人で住むものだと思っていた。
実際、キョウダイ達は夕方になると家に帰っていたし。復興作業中も自分の家にしっかり帰宅していた。
そう言えば、と記憶を掘り返してみる。
「思えばお前ら、廃屋状態の時からここで寝泊まりしてたっけ………」
「今更すぎるだろ」
「改めてよろしく頼む」
「ま、マジでか……」
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佑依佳 - 万屋よ永遠なれは書かないんですか (5月8日 10時) (
レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
佑依佳 - すごく良かったです。パスワードを教えてくれませんか (4月15日 10時) (レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
LIARPIERROT(プロフ) - こちらの作品のパスワードは作者様が作者ページに掲載してらっしゃいます。確認してからコメントしましょう。 (12月21日 20時) (レス) id: 7068d0a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 初めて読みました。とても感動して続きを読みたいと思いました。なので続きを読ましていただきたくパスワードを教えてくれないでしょうか？これからも頑張ってください！！ (11月19日 15時) (レス) id: fd0a1b2f31 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 続きを読みたいのですが、パスワードを教えてくれませんか？ (10月20日 12時) (レス) id: de6a447dfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2018年9月21日 23時
