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謝罪どうこうで解決出来るはずないところまで言い切ってしまったから。口から出してしまった言葉をAは訂正することも撤回することもしなかった
無理矢理貼り付けた笑顔で。
『私は河村さんのこと信じていますから』と心に微塵も思っていないことが河村にも分かるように棒読みで伝えた。
気まずさに包まれる一室。カラオケに遅れてやって来て、部屋に入って十分程度で出ていくのは、流石に色々と不味い。さっきいた受付の子が変な想像を膨らませるかもしれない。
…修羅場であるのはどっちみち変わりないけども。
袋が、被ったまま放置されていたマイクを手に取りAは河村に差し出した。
『河村さん歌いますか？』
「えっ、…いや、」
河村は突拍子もないAの言動にびっくりした表情を向けていた。
『そうですか』
予想出来ていた河村の返事にAはあっさりと引き下がる。河村に向けていたマイクを机の上に寝かせるように置いた。スイッチが入っていたマイクが机にコトンと当たる音が拾われ、部屋の角にあるスピーカーからエコーがついて広がった。
Aはモニター前で充電されていたデジタルの検索機をそこから外して、手当り次第今流行ってる曲を入れた。
自暴自棄気味にAは歌い続けた。受付から終了１０分前のコールが鳴るまで休みなく、ずっと。
30分以上、歌を歌うなんて慣れないことをしたA。Aの歌は最後のほう酷いことなっていた。声は完全に枯れて、咳までしていた。
それでも、検索をそこそこにサビしか歌えなくても、知らなくても歌い続けた。
その日から、Aの体調はほんのちょっとだけ良くなった。勿論、薬には頼ってしまっているが陰鬱続きだった気分が少しだけ軽くなった。
河村と同じ時間に業務に就くことが多くなり、河村がAの記事を添削してくれることも増えた。
河村の前で”今どきの明るく悩みなんてまるでないキラキラ女子大生”を繕っても仕方ないから、特に作りたくない笑顔を作らなくても良くなったし、別に広げたい訳じゃない会話をしなくても良くなった。
なにより大きかったのは悩みの種の昔の自分と顔が見えない男の子の夢を見なくなったこと。
何故か河村との夢に変化してしまって、手放しで夢見が良くなったとはいかないが、生活がマシになったことへの感謝を。
『河村さん、ほんとありがとうございます』
他の人がいる前での繕った台詞に人知れず込めた。
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わらべ(プロフ) - 和奏さん» とても返信遅くなりましたがコメントありがとうございます！夢主のこと好きって言って貰えてこれ以上ないくらい幸せです！ひとくせある子が好きなので今回の夢主も気に入っていただけると嬉しいです！また読みに来てくださいませ！ (2022年1月23日 20時) (
レス) id: de37784df7 (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - わらべさんのお話はどれも夢主ちゃんのことが大好きになるので不思議です…更新のたび覆されてワクワクするし最高です〜！これからも応援してます。 (2021年12月31日 23時) (レス) @page44 id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)
わらべ(プロフ) - すみれさん» コメントありがとうございます！好き嫌いが極端に出そうで中々進んで行かない作品ですが、本当に書きたいものを書きたいままやっていました！そこで1人でも好きと言っていただけたので本当に嬉しいです！更新は遅めですが頑張ります！ (2021年10月11日 20時) (レス) id: 34cdc8231e (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - めっちゃ好きです〜更新楽しみにしてます！！ (2021年10月8日 17時) (レス) id: 84d3b4ed7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらべ | 作成日時：2021年4月17日 12時
