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言葉を吐いた瞬間、温度が一気に低下した気がした。驚いて眼鏡の奥の瞳が丸く大きくなった河村の視線にAは射抜かれる。
河村も相当驚いていたが、A自分も相当驚いていた。その瞳に気づいていたが、流石のAにもその河村の目と視線を合わせる勇気はなかった。
そもそもAの元々の目的は、河村に口外しないようお願いするつもりだったのだ。
ありがとうございます。
助かります。
お願いします。
その言葉をAが口にし、河村に頭を下げるだけで、一件落着、めでたしめでたし、となったはずなのに。
なのに、Aの言葉はさっきの失礼な一言と嘲笑だけでは済まなかった。
『私のこと分かってくれているつもりですか？じゃあ！私にどんなことがあっても助けてくれるんですか？手伝ってくれるんですか？どんなことしても許してくれるんですか？…私がもし…伊沢さんの、…QuizKnockの邪魔をするとしたら、河村さんはQuizKnockより私を選んでくれるんですか？』
Aが一息でそこまで言い切ったら息が少し上がっていた。思うことは自由でも一度外へ吐いてしまった言葉はもう無かったことになんて出来ないということをAは痛いくらい知っているはずである。
放った言葉が、綿菓子のように甘くても、ナイフのように鋭くても、同じ速度で相手に届いてしまうことを。
まだまだ驚きの淵から戻ってこれていない河村。河村からしてみれば、親切心で言った言葉に食いつかれヒステリックに叫ばれて本当に迷惑なことこの上ないだろう。
吐き出すだけ吐き出して、頭に血が上っていたところから落ち着いてくると何とも後味の悪い静けさがまとわりつく空間。画面に映る最新アーティストのMVの曲が妙に頭に残って目に焼き付いた。
河村はAを見つめ長い間ずっと黙っていた。ひどく悩んでいるようにも見えた。Aに謝罪の気持ちもあったがそれも今更で、唇だけ弧を描いて笑いを形作る。
『よかった。そこで上辺だけの助けるよ、なんて寒いセリフを河村さんが吐く人じゃなくて。そんなに軽い発言されてたら余計に信用出来なかったですから』
はぁ、と息を吐いて笑顔を作るのがしんどくなったから真顔に戻る。変に態度を繕うよりも吹っ切れてしまったほうが楽。
『詳しい話はするつもりありません。そんな身の上話を打ち明けて何になります？河村さん…同情はしてくれるかも知れませんが…そんな必要ありませんし求めてませんから』
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わらべ(プロフ) - 和奏さん» とても返信遅くなりましたがコメントありがとうございます！夢主のこと好きって言って貰えてこれ以上ないくらい幸せです！ひとくせある子が好きなので今回の夢主も気に入っていただけると嬉しいです！また読みに来てくださいませ！ (2022年1月23日 20時) (
レス) id: de37784df7 (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - わらべさんのお話はどれも夢主ちゃんのことが大好きになるので不思議です…更新のたび覆されてワクワクするし最高です〜！これからも応援してます。 (2021年12月31日 23時) (レス) @page44 id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)
わらべ(プロフ) - すみれさん» コメントありがとうございます！好き嫌いが極端に出そうで中々進んで行かない作品ですが、本当に書きたいものを書きたいままやっていました！そこで1人でも好きと言っていただけたので本当に嬉しいです！更新は遅めですが頑張ります！ (2021年10月11日 20時) (レス) id: 34cdc8231e (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - めっちゃ好きです〜更新楽しみにしてます！！ (2021年10月8日 17時) (レス) id: 84d3b4ed7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらべ | 作成日時：2021年4月17日 12時
