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毎回作問に手こずっているな、と河村は彼女の働きっぷりを見て思っていた。
河村自身もひとつの企画を成立させる問題数を確保するのに一日掛かったりするしボツにクイズも数多く出てくることもあるから、クイズ作家では無いAが悩むのも仕方ない部分ではある。
河村が作問に苦戦するのは河村が行う企画が特殊であることも言え、Aと比較すること自体間違っているのだが…。
まぁ、それでなくてもAは記事を作るまでは順調にこなしているのだから多少行き詰まるところがないと周りと釣り合いが取れない気もする。
山上や福良に質問しつつ何とかAは記事完成させてきた。かゆいところに手が届くような解説に感心しつつ、もう次の新しい記事に取り掛かる彼女をAはいつも遠目に見ていた。
彼女は今回も作問で躓いた様子。眉間にシワを作り険しい顔で視線を動かし相談出来る人を探している。
そんなときAを見ていた河村とAの目がバチッと合わさった。河村がAに悟られないようパソコンに視線を落とす。
すると、スリッパを履いた控えめな足音が近づいてきて。
『…すみません…河村さん…』
「…えっ…Aさん…なんでしょう？」
申し訳無さげな声色を孕むAに声を掛けられ、情けなくも河村は酷く驚いてしまった。
河村はあまり他人から相談を受ける機会は少ない。
もちろん付き合いの長い福良や伊沢などの相談はなくはないが、河村にはどことなく近寄り難い雰囲気がある。
河村自身も人見知りのきらいがあるから都合がいいとも思っていた。
それがまさかの新人の、それも色んな意味で意識しているAだから…河村の驚愕はやむを得ない。
『河村さんの作るクイズはいつも綺麗なので…知恵を貸していただけないでしょうか？』
そうやって河村に質問してくるA。Aにとって自分は福良達の代用品みたいなものだろう…と河村は心の中で卑屈めいていたのだが。
彼女が河村に教えを乞うたのは福良や山森らが居なかったその一度きりではなかった。
『河村さん…今いいですか？』
『河村さん、ちょっと』
『河村さん…これなんですけど…』
そう名前を呼んでAは度々河村を頼りにしてきた。
「河村さん」「河村さん」と。
河村はAが自分の名前を呼ぶことに息苦しささえ感じてしまう。
あの子ではないのにあの子を重ねて。
あの子を最近まで忘れてのうのうと生きていた罪悪感を思い知らされているようで。
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わらべ(プロフ) - 和奏さん» とても返信遅くなりましたがコメントありがとうございます！夢主のこと好きって言って貰えてこれ以上ないくらい幸せです！ひとくせある子が好きなので今回の夢主も気に入っていただけると嬉しいです！また読みに来てくださいませ！ (2022年1月23日 20時) (
レス) id: de37784df7 (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - わらべさんのお話はどれも夢主ちゃんのことが大好きになるので不思議です…更新のたび覆されてワクワクするし最高です〜！これからも応援してます。 (2021年12月31日 23時) (レス) @page44 id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)
わらべ(プロフ) - すみれさん» コメントありがとうございます！好き嫌いが極端に出そうで中々進んで行かない作品ですが、本当に書きたいものを書きたいままやっていました！そこで1人でも好きと言っていただけたので本当に嬉しいです！更新は遅めですが頑張ります！ (2021年10月11日 20時) (レス) id: 34cdc8231e (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - めっちゃ好きです〜更新楽しみにしてます！！ (2021年10月8日 17時) (レス) id: 84d3b4ed7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらべ | 作成日時：2021年4月17日 12時
