第二部 労働 ページ13
面接をして1週間後の土曜日。
無事にQuizKnockのライターの採用となった。
自信については半々くらいだったので、無事に計画通りに進み、正直Aはほっとしていた。
ただ、ここでAは自惚れては行けない。
同じくらいの能力を持っている人がいて、そこからAが選ばれたのは経歴の珍しさからだと思っている。既に所属している他の人のように才能があり受かったのだと思ってはいけない。
まだまだ、Aが目指すゴールは遠く。
常に油断せず、心を別人にして、笑顔を張り付けて。
どこにでもいる順風満帆な大学生を演じることを肝に銘じて、採用されてすぐの軽い面談と研修を受けた。
注意事項は以下の三つ。
《隔週で新しい記事を提出すること》
《最低月一でもオフィスのほうで行われる会議に参加すること》
《余裕が出来たら業務に編集部のほうの手伝いも含まれる》
だった。業務内容についてはAも大幅聞いていたものと齟齬がなく頷いた。
「あとは、Aさん…逆になんか言いたいことある？」
Aの初めての面談はCEOの伊沢と総合プロデューサーの福良に直々に行われた。雇用契約書を渡され説明を受けたあとに福良に問い掛けられた。
『…お二人にお願いがあります。…個人情報は非公開でライターをやらせてください』
具体的に、本名、年齢、性別、容姿を非公開にして貰えるようにAは二人に頼んだ。
「あー、…うん、それは…」
『でも！』
二人は顔を見合わせたあと、歯切れでも悪そうに福良が返答する。それをAは大きめの口調遮った。
『私は…高校を卒業していないこと、…現在東大生であることは是非発表させてください！…高校を卒業していないことは…もしかしたらQuizKnockさんの品位を落としまうことに繋がるかもしれませんが同じような環境の学生を…』
胸の部分を抑えながら、心にもない臭く大袈裟な演技をする。壮大な夢を持つ大学生のように
「大丈夫。そんなことは言わせない！」
「…逆にそこは言っちゃっていいの？」
伊沢は頼りがいのある笑顔を。
福良はAを心配したような視線を。
二人の食いつきにAは心の中でほくそ笑んだ。しっかりとした夢を持ってる人には、同じように夢を持つ者の顔をしたほうが関わりやすい。
彼らがAを採用した理由を、A自身が利用しなくてどうする。
『…初めての記事…。自己紹介として、高卒認定試験について書かせてください』
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わらべ(プロフ) - 和奏さん» とても返信遅くなりましたがコメントありがとうございます！夢主のこと好きって言って貰えてこれ以上ないくらい幸せです！ひとくせある子が好きなので今回の夢主も気に入っていただけると嬉しいです！また読みに来てくださいませ！ (2022年1月23日 20時) (
レス) id: de37784df7 (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - わらべさんのお話はどれも夢主ちゃんのことが大好きになるので不思議です…更新のたび覆されてワクワクするし最高です〜！これからも応援してます。 (2021年12月31日 23時) (レス) @page44 id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)
わらべ(プロフ) - すみれさん» コメントありがとうございます！好き嫌いが極端に出そうで中々進んで行かない作品ですが、本当に書きたいものを書きたいままやっていました！そこで1人でも好きと言っていただけたので本当に嬉しいです！更新は遅めですが頑張ります！ (2021年10月11日 20時) (レス) id: 34cdc8231e (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - めっちゃ好きです〜更新楽しみにしてます！！ (2021年10月8日 17時) (レス) id: 84d3b4ed7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらべ | 作成日時：2021年4月17日 12時
