79/花より黒い物体…卵焼き ページ29
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さて、この日は桜が満開、天気は晴天と、まさしく花見日和。
「ハーイ、お弁当ですよー」
新八の姉・志村妙が、笑顔でお弁当箱を掲げる。
「ワリーな。姉弟水入らずのとこ邪魔しちまって」
「いいのよ〰。二人で花見なんてしても寂しいもの。ねェ、新ちゃん?」
確かに二人で花見は寂しい。恋人同士ならまだしも、姉弟二人なら尚更。
「お父上が健在の頃は、よく三人、桜の下でハジけたものだわ〰。さっ、お食べになって!」
「じゃ、遠慮なく…」
銀時は、弁当箱の蓋を開けた──開けてしまった。
そして、開けてしまった弁当箱の中には、黒い物体だけが入っていた。
「なんですかコレは? アート?」
「私、卵焼きしかつくれないの〰」
「"卵焼き"じゃねーだろコレは。"焼けた卵"だよ」
「卵が焼けていれば、それがどんな状態だろーと卵焼きよ」
「違うよ、コレは卵焼きじゃなくて、かわいそうな卵だよ」
「いいから、男はだまって食えや!!」
お妙はそう言って、銀時の口に、お妙曰く『卵焼き』、銀時曰く『かわいそうな卵』を突っ込んだ。
「これを食べないと私は死ぬんだ… これを食べないと私は死ぬんだ…」
何故か暗示をかけてまでソレを食べる神楽。
「暗示かけてまで食わんでいいわ!! 止めときなって! 僕のように目が悪くなるよ」
そんな神楽を止める新八…目が悪くなった原因はお妙の卵焼きなのか?
「ガハハハ。全くしょーがない奴等だな。どれ、俺が食べてやるから、このタッパーに入れておきなさい」
何故かタッパー片手にその輪に入ってきたゴリラ──
「何、レギュラーみたいな顔して座ってんだゴリラァァ!! どっからわいて出た!!」
「だばァ!!」
お妙に撃退されるゴリラ。まぁ、大の男を張り倒すお妙の方がよっぽどゴリラらしいが。
「オイオイ、まだストーカー被害にあってたのか。町奉行に相談した方がいいって」
「いや、あの人が警察らしーんスよ」
「世も末だな」
「悪かったな」
銀時の後ろから、別の声が聞こえた。
振り返ると後ろには、私服姿の土方とA──その他、真選組の愉快な仲間達がいた。
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真代 - 面白かったです!これからの展開楽しみにしてます。連載頑張ってください! (2023年1月14日 0時) (レス) @page37 id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - すごく面白いです! 更新頑張ってください! (2019年8月24日 22時) (レス) id: 03c8d67e55 (このIDを非表示/違反報告)
零夜シイ(プロフ) - ナシさん» ありがとうございます!(何度も言いますが)飽きっぽいですが頑張れるだけ頑張ります!なので、これからもよろしくお願いします! (2019年3月21日 20時) (レス) id: 4f3e692970 (このIDを非表示/違反報告)
ナシ(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも応援してますので、更新頑張ってください!! (2019年3月21日 20時) (レス) id: e3d5fe9d17 (このIDを非表示/違反報告)
零夜シイ(プロフ) - ハニーさん» ありがとうございます!これからもどんどん書いていきたいと思いますが……出来るかなァ… (2019年3月17日 17時) (レス) id: 4f3e692970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天閑 | 作成日時:2019年3月15日 15時