53/戦場で血を浴びる鬼達 ページ3
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「……これまでか」
幾人もの天人に囲まれ、逃げ場を失った三人の浪士は、互いに背を向ける。
「敵の手にかかるより、最後は武士らしく、潔く腹を切ろう」
「武士らしく…か。私は自分で腹切るより、戦って敵の手にかかる方が、武士だと思うけど」
「バカ言ってんじゃねーよ。立て」
銀髪の浪士は、二人の顔を見ずに立ち上がる。まるで、二人に己の背中を託すように。
「美しく最後を飾りつける暇があるなら、最後まで、美しく生きようじゃねーか」
「美しく、か…」
もう一人の浪士も、二人の顔を見ずに立ち上がる。
「なら、私も美しく生きようかな。銀時を盾にして」
「オーイ、それやめて。俺死んじゃう」
「墓くらいは作るよ? …多分」
「多分? 今多分って言ったよね?」
「言った覚えないなァ」
血に染まり、濡れながらも、二人はいつも通りだ。声色も、息遣いも、その姿勢も。
「行くぜ、ヅラ、A」
「ヅラじゃない、桂だ」
その男、銀色の髪に血を浴び、戦場を駆る姿は、まさしく夜叉
「遅れないでよ、金時」
「金時じゃない、銀時だ。……アレ、上手くね?」
「知らない」
その浪士、数多の敵の命を桜の様に散らす姿は、まさしく鬼
二人の“鬼”は血に染まり、濡れながらも刃を振るう。一つの光を追い求めて──
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真代 - 面白かったです!これからの展開楽しみにしてます。連載頑張ってください! (2023年1月14日 0時) (レス) @page37 id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - すごく面白いです! 更新頑張ってください! (2019年8月24日 22時) (レス) id: 03c8d67e55 (このIDを非表示/違反報告)
零夜シイ(プロフ) - ナシさん» ありがとうございます!(何度も言いますが)飽きっぽいですが頑張れるだけ頑張ります!なので、これからもよろしくお願いします! (2019年3月21日 20時) (レス) id: 4f3e692970 (このIDを非表示/違反報告)
ナシ(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも応援してますので、更新頑張ってください!! (2019年3月21日 20時) (レス) id: e3d5fe9d17 (このIDを非表示/違反報告)
零夜シイ(プロフ) - ハニーさん» ありがとうございます!これからもどんどん書いていきたいと思いますが……出来るかなァ… (2019年3月17日 17時) (レス) id: 4f3e692970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天閑 | 作成日時:2019年3月15日 15時