シルバーリング２ (ページ15)

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潤｢ニノには7歳下の弟がいるんだ。その弟は生まれつき心臓が悪い。だから、入院してるんだよ。リング交換式に出れなかったのは、弟の病気が悪化したから。｣

松本先輩の言葉は頭を金槌で殴られたくらいの衝撃だった。

潤｢病院に向かったんだよ。でもこのことを知ってるのは俺と先生だけなんだよ。このことを言わないのは、約束してたのに行けなかったのに変わりはないからって言ってた。｣

｢ちがっ…｣

私があの時理由を聞いてたら、誤解しないですんだかもしれない。

自分が傷つくことが怖くて聞けなかった私が悪いのに…

潤｢それにニノは、愛し方も愛され方も知らないんだよ。｣

｢それって…どういう…意味…ですか？｣

潤｢ここからはニノに聞いて。ニノは放課後いつも屋上にいるからさ。ニノに出会ってくれてありがとう。｣

松本先輩の言葉に涙が止まらなかった。

感謝されることなんて何一つしてない。

むしろ、傷つけてばかりだった。

こんな酷い顔で翔くんに会えない。

それに、二宮先輩のことを考えてしまう自分がいる。

今、翔くんに会ってもどんな顔したらいいか分からない。

だから、置き手紙をして1人で帰った。