『PHYCHO-PASS』偽神を生んだ研究録 (ページ5)

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人の感情が分かるということは、その人が次に何をするかを予想できるということに繋がる。

例えばまだ実験段階ではあるが、仮にその数値の最大値が100、最小値が0としよう。

この数値が100であればその人間はすこぶる機嫌がよく、恐らくどこかへ遊びに行くであろうという可能性が考えられる。

また値が80なら少し機嫌が良い程度。
自室で自分の趣味なりなんなりに興じるであろうという可能性が出てくる。

逆に0ならどうなるか？
この時は苛々や不満、あまり宜しくない精神状態であると仮定される。

殺人衝動や窃盗。
様々な犯罪に手を染めるだろうという可能性が仮定される。

結局のところ何が言いたいのかと言うと、もしこの技術が確立され、世間一般に使用されることになったとしたら犯罪が激減する素晴らしい世界が実現されるかもしれないということだ。

目の前に殺人犯が居たとしても値を見てその人間の数値が0に近ければ即座に警察が対処し、取り調べればいいのだから！

…‥勿論口で言うほど簡単な話ではない。
まだ正確に人間の心理を科学的に解析できる訳ではない。
何を基準にその数値でその人間の心理状態を判断するかも分かっていない。

今書いたのはあくまで仮定であり、これからの予想図でしかない。

けれども‥
私の考えは間違っていなかったらしく、この研究で行き詰まっていた最初の課題をクリアすることができた。

その課題とは「人間は何を用いれば人間を解析できるか」というもの。

私はこれに対し「人間は人間を用いることで解析できる」と考えた。