【Dr.STONE】歌声に想いをのせて

星に願いを ページ12

「せんくうー！！！Aー！！今日は七夕だぞー！！」
「笹と短冊持ってきましたー！」
「こんなでけえのどこに置くんだよバカかてめえらは」
「[まあまあ、落ち着いて]」

やたらとでかい笹を抱えてやってきた大樹と杠。いや、笹を持ってるのはお察しの通り大樹一人で杠は自分で作ったであろう飾り付けと短冊を持ってきていた。

「見て見てA！この飾り可愛いでしょ？」
「[おお、流石杠凄い！]」

俺がAに言われてしまうと断れないことを知っている杠は早速Aを味方につけていた。
「[千空、せっかくだから飾ろうよ]」その一言で本日の予定が決定した。

「たく、仕方ねえなあ。とりあえずベランダでいいだろ」
「[ここからならお星様も見えるもんね]」

そういうと早速大樹が笹を置き、杠がものすごい速度で飾り付けをしていく。これ俺らいるか？この似た者夫婦二人だけでやれば良かったんじゃねえか。

「[杠、これここに着けたら可愛くない？]」
「わあお、流石A、すごく可愛い！」
「[千空も一緒にやろうよ！]」
「あぁ？仕方ねえなあ」

ま、こいつが楽しそうならいいか。相変わらずな恋愛脳様に今日は身を委ねることにした。



◆



「できたー！」
「[わーい！！]」
「ほとんど飾り付け任せてしまってすまんな！俺はこういう細かいのは苦手でな！」
「ほーん、まあなかなかじゃねえか」

もう日も落ちて空が暗くなる頃に七夕の飾り付けは完成した。どこかお店にでも飾っているような豪華な飾り付けをされた笹を見上げる。たまにはこういうのも悪くねえかもな。なんて思ってしまう今日の俺は本当に非合理的だなと自嘲する。

「[千空、はい！]」
「あ？あぁ、短冊か」
「[もうみんな書き終わったよ！千空早く書いて書いて]」

手渡された短冊を見つめる。(願い、願いなあ…)願い事なんて正直ない。俺の夢はただ一つだし、それは願い事なんかじゃなく必ず叶えるものだ。
しかし、Aに言われてしまうと何か書かなきゃなあと言う気持ちになる。(どうするかな…)

「Aはなんて書いたんだ」
「[え、秘密]」
「秘密っつっても、見ればすぐわかる……」

飾り付けが終わった短冊がチラリと見えて言葉を失う。「[見たなバカー！]」とホワイトボード片手に睨みつけてくるAを無視し、短冊に書き込み、Aの短冊の横に飾る。
二枚並んだ短冊に口元が緩んだ。

[千空と宇宙に行く。そこで、歌を歌う]
[Aと宇宙に行く]


****
書きたかっただけです…

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