あと5日。 クロ視点 ページ13
皿洗いをしながら、この後何をするか考えた。
あと5日。白音と何をして過ごそう。
今はけがが完治してないから、動いたらダメだけど。
一緒にいられるのは、あと5日だけだからな。
皿洗いが終わり、椅子に座って本を読み始める。
『春夏秋冬、これを四季という。春は桜が咲き乱れ散り、桃色の景色と化す。夏は暑さが体を襲う。秋は枯れ葉が降る。冬は雪が積もり、白色の景色と化す。』
四季って言うんだな・・・本は面白いな。
あいにくだが、俺は春しか知らない。夏と、秋と、冬。見てみたいものだ。
絶対に叶わないことだが・・・
「黒音ー。」
白音が呼んでる。行かなくちゃならない。
今読んでるページで本を裏返して、2階へ向かう。
・・・この日々がいつまでも続ないかな。
そう思いながら2階へとあがって、ドアを開ける。
「どうした?」
「私ね、黒音に小説家になったら?って言われたから、短いけど小説書いたの。見て。」
「・・・ああ。」
拒否することもできず、白音から紙を受け取った。
題名は「春夏秋冬」。
1ページ目には、1行だけ書かれていた。
『この話は、心の支えになってくれた親友に贈る。』
ページをめくる。
『ー1−
私の親友は、季節を知らない。
世界には「春」しかないと思っている。
もっといろんな季節があること、教えてあげたい。
いや、教えてあげたかった。ある日その親友は消えてしまった。
書き置きを残して。そこにはこう書かれていた。
「この後の人生、精一杯生きろ。」
この人と出会ったのは、春のはじめ。
桜が咲き乱れ、私は6年生になって1週間もしない時だった。』
どこかで見たことのある話だな。と思いながらページをめくる。
『ー2−
彼は、普通の人ではなかった。
私にしか見えていなくて、空を飛んでいる。
黒髪で、赤色の目。普通の人間にはありえない。
でも、私に優しくしてくれたり、助けてくれたり。
ほんとに、いい人だった。もっと一緒にいてほしかった。
いつもの無表情とは裏腹に、とっても優しい笑顔や、感情のこもったなみだ。
すべて、いい思い出。
どうして、さよならも言わずに行ってしまったんだろう。
教えてあげたかった。夏の暑さを。秋の寂しさを。冬の白さを。
・・・春の恋しさを。』
・・・これは、実話なのだろうか。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーアルファベット
X
7人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シロ(プロフ) - けんさん» ありがとうございます!先ほどはお話につき合ってくれてありがとうございました。 (2019年4月16日 3時) (レス) id: 72e119a969 (このIDを非表示/違反報告)
けん - 読みました。 (2019年4月16日 3時) (レス) id: b387ed5a4d (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - ろわ@Project KZさん» わかりました! (2019年4月14日 9時) (レス) id: 72e119a969 (このIDを非表示/違反報告)
ろわ@Project KZ(プロフ) - リクエストのイラスト完成しましたー!良ければ確認お願いします!(舞台創造科バンライナーなPとAqua*のイラスト集!です) (2019年4月14日 9時) (レス) id: b3ce8b8774 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - ミズナさん» はい!確認しに行きます! (2019年4月7日 6時) (レス) id: 72e119a969 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜花 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2019年3月1日 22時