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遠目から見ると話の内容はわからないが、思い詰めたような、動揺した素振りだ。
こちらをチラチラと見ながら話を続ける。最終的に話はまとまったようだが、青い顔のままだ。
「如何したの?」
「……いや。おまんに心配されるほどのことなんてそうそうねえわ」
「まだ仕事はあるだろ?はんで終わらせて拉麺でも食いに行かだぁ。」
「……仕方ないなぁ!早く行こう!」
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「この前、お前は私に”趣味が悪い”と言ったよね」
「嗚呼。いっさら間違ってねえ。おまんは敵に対して厳しすぎる。」
「それを言うならお前は甘過ぎる。それはもう、ケェキの様にね。」
仕事上がりに拉麺を食べ、その後にいつも二人で集まる外れの広場のような場所で話す。
「ケェキだぁ?俺はそんねん甘くはねえと思うが?」
「否ぁ、君は甘いよ。そうじゃなかったら、ここで血塗れだった私をポートマフィアに勧誘なんかしないよ。」
そういうと、困ったように笑う。
「おまんが俺に感謝するなんて、明日槍でも降りそうだな……なんかあったのか?」
「特には何も?明後日、私がポートマフィアに来て4周年だからさ。しみじみとしてた〜」
「そうけ。ならケェキでも焼いてやるよ!腐れ縁でも縁だからな。」
「なら砂糖よりも蜜よりも甘いショートケーキね。」
「いいけどよ。おまんそんねん甘い物好きだったっけ?」
「食べたかっただけー!」
初めて食べたお前の料理を。とまでは言わないが。
初めて一雄であった時の月も三日月だったなぁ。
『おまん血だらけじゃねぇか。汚ねぇ。うち来るけ?』
『貴方誰です?私はただ仕事上がりなだけです。今首になったとこですけど』
『不運だなぁお前。』
『年齢そんな変わんねえだろ!!この莫迦!』
『莫迦って言うな!俺は檀一雄っていう名前がある!』
『一雄。連れてけ。』
『おまん、年上にはさん付けだろぉ?』
此奴は持ち前の気楽さで人を和ませる才能がある。
「ぉぃ……おい!話聞いてるのか?」
「聞いてる聞いてる。粒餡も漉し餡も全部美味しいよねって話でしょ?」
「ぜんっぜん違う!ちゃんと話を聞け!俺明日明後日の九時まで仕事あるからさ、お祝いまた一区切りついたらでいいけ?」
「いいよ。寧ろお前がいなくて晴々するわ。」
「おまんはいらん事に口が回るなぁ!!」
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シリコン寿司(プロフ) - コメントありがとうございます!このコメントを励みに頑張ります (5月19日 1時) (レス) id: 5aaa516a20 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃尾多希(プロフ) - ギルド編お疲れ様です!とっても面白かったです!続き楽しみにしてますね! (5月18日 22時) (レス) @page11 id: 3e211502f2 (このIDを非表示/違反報告)
シリコン寿司(プロフ) - 外し忘れてました!すみません!報告ありがとうございます!!! (2023年3月26日 20時) (レス) id: 5aaa516a20 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ‘フラ立ってますよ! (2023年3月26日 18時) (レス) id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シリコン寿司 | 作成日時:2023年3月23日 2時