連れてけ、全国大会！後 ページ15
気がついたから彼が目の前にいた。背が高いから威圧感がすごい、こわい。近くにいたガンジに助けてと目線で訴えたらわざわざボードに頑張れと書いてきた。しばくぞ。
「君…先週もしかしてエウリュディケスタジアムにいた？」
「…なんで知ってるの？」
「偶然近くの席だったんだ。すごく熱狂的に応援してるから今回もするのかなって思った…今日は違うんだね」
なんだお前、なんなんだお前。まさか私がスタジアムで推しチームが快勝して兄と狂いながら喜んでいたのを見ていたやつなのか。
「最後の投げ方さ…君が特に応援してたピッチャーを参考にして投げたんだけど気づいてくれた…？」
「あ、そういえば似てるなとは……」
どうやら彼も先週同じスタジアムで偶然同じ試合を見ていたらしい。私が実力で推している選手のストレートに今の彼のストレートが似ているような気がしたのだ。
すると彼は死に際のような顔から嬉しそうな顔になって私に抱きついたのだ。周りはザワザワしてるし彼の囲いは悲鳴をあげていた。
「嬉しい…わかってくれるなんて嬉しい…」
「わ、く、苦しい！ギブ！ギブ！」
私が離れろと言わんばかりに彼の背中を叩くと更に顔を擦り寄せてきたり力が強くなってくる、つらい、くるしい。しばらくして満足したのか私が彼の締めつけから開放された。
「ねぇ、いつか君を全国大会に連れていくから…他校だとしても僕のことだけ見て欲しいな」
「全国大会」
「返事はここに頂戴、じゃあね」
そう言って彼から渡されたのは連絡先だった、私は囲いの悲鳴をバックミュージックにしながら放心状態に陥るしかなかったのだ。
翌日放心状態が抜けないまま学校に行くといつも以上に気を使ってくれるフィオナといつもより優しいガンジに助けられた。
調理場は宇宙空間(納棺師、踊り子、黄衣の王)→←連れてけ、全国大会！中
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薄荷ゼリー(プロフ) - 通りすがりさん» コメントありがとうございます、更新率は低下してますが今後もご愛読頂ければ思いますm(*_ _)m (2021年12月28日 12時) (
レス) id: a93fc2bc72 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - ドキドキする話やクスッとくる話、色々あって読んでてとても楽しいです！（≧∇≦）応援してます⸝⋆* (2021年11月20日 15時) (レス) @page11 id: 2f87ec2489 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄荷ゼリー | 作成日時：2021年6月14日 20時
