連れてけ、全国大会！中 ページ14
急遽予定変更してグラウンドに足を運んでしまった。顔面などどうでもいい、彼の実力を見極めたかったのだ。スコアボードを見てみると接戦だが他校の方のスコアが高い。
試合としては終盤あたりだ、マウンドには噂の彼が立っている。立っているだけで黄色い声援が沸き立つなんて目出度い男だ。バッターボックスには同クラスのガンジがいる、彼は私の学校の野球部を代表するエースだった。
噂の奴がボールを投げる体制に入った、ストレートだろう。だがストレートはガンジの獲物だ。ガンジは打球率も高いが特にストレートに対してはホームランで返すことが多い。ストレートだと分かった彼はバットを強く握っていた。彼なら返せる、返せる。
はずだった。
彼は球を打ち返せなかった。あまりにも球が速すぎたのだ。きっと剛速球とはこのような事を言うのだろう。野球部のベンチと監督は唖然としている、あそこまで速い球は見たこと無かったのだろう。バッターボックスに立っていたガンジも怯んでいる。あと2球、と思ったが彼の剛速球には返す手も無かったのだろう、バッターアウトという掛け声と共に試合は他校の勝利で幕を下ろした。
試合後、自校と他校の野球部の部員と合流会が行われていた。野球部に仲間がいる人達は自校の野球部に慰めの言葉をかけていたが他校の女子やにわか勢の女子は他校の投手に夢中だった。
「ノートンくん素敵だったわ！」
「ほんと！次の交流試合も来て欲しいわ！」
きゃあきゃあと周りが囃し立てる中肝心の彼はどこか貼り付けたような笑みを浮かべていた。私はなるべく目を合わせないようにしていたがふと目が合ってしまった。
目が合った途端、彼は囲いを無理やり押しのけて私の目の前にずかずかと来た。
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薄荷ゼリー(プロフ) - 通りすがりさん» コメントありがとうございます、更新率は低下してますが今後もご愛読頂ければ思いますm(*_ _)m (2021年12月28日 12時) (
レス) id: a93fc2bc72 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - ドキドキする話やクスッとくる話、色々あって読んでてとても楽しいです！（≧∇≦）応援してます⸝⋆* (2021年11月20日 15時) (レス) @page11 id: 2f87ec2489 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄荷ゼリー | 作成日時：2021年6月14日 20時
