ニューヨークチーズケーキ(血の女王) ページ1
「私、これよりも濃い味のチーズケーキが食べたいわ」
隣でベイクドチーズケーキを食べていた私の相棒、マリーが呟いた。私が来てからチーズケーキを好むようになった彼女はチーズの濃さに拘るとかなんやら。
「ニューヨークチーズケーキですか？」
「そう、それがいいわ。A、次のおやつは貴女が作ったその重くぎっしりした甘いチーズケーキがいいわ！」
女王である彼女のワガママには聞き慣れてしまったが唐突にお願いされると私も困ってしまう時があった。それはいくら私がお菓子を作る事が上手くても、赤い女王にはお菓子作りの苦労が分からなかった。
「分かりました…善処します」
そしてベイクドチーズケーキが全て無くなった頃、私はニューヨークチーズケーキを作ることにした。ベイクドはそのまま焼くのだがニューヨークは湯せん焼きという技法で焼く。直接焼かない分しっとりするのはその技法のおかげだろう。
焼きあがって粗熱を取り綺麗に切り分ける。途中ロビーくんやウィル兄弟、信徒ちゃんとイドーラ様が来たからホールから少しだけ分けた。別に女王様用に盛り付けたものは急ぎ足で持っていった。
「まぁ…そのまま焼くよりしっとりしてるのね。美味しそうだわ」
女王様はチーズケーキを嬉しそうに見つめながらフォークで1口分を切り上品に口へ運ぶ。
「まぁ…まぁ…、とても美味しいわ！ねぇA、この美味しいお菓子を私が独り占めなんてずるすぎるわ。皆さんに分けて頂戴？」
まさかの皆に食べさせろ発言だった。子ども達やつまみ食いに来た人達には先に分けてしまったと正直に言うとマリーは驚いたけどくすくす笑ってた。
「えぇ、知っていたわ。貴女らしいので許しましょう」
上品に笑う王女と談笑しているとキッチンから騒ぎが聞こえたので私は急いでキッチンへと走った。
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薄荷ゼリー(プロフ) - 通りすがりさん» コメントありがとうございます、更新率は低下してますが今後もご愛読頂ければ思いますm(*_ _)m (2021年12月28日 12時) (
レス) id: a93fc2bc72 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - ドキドキする話やクスッとくる話、色々あって読んでてとても楽しいです！（≧∇≦）応援してます⸝⋆* (2021年11月20日 15時) (レス) @page11 id: 2f87ec2489 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄荷ゼリー | 作成日時：2021年6月14日 20時
