初めは気まぐれだった(マジシャン) ページ2
私選んだ新しい相棒は右も左も分からない気分屋だった、しかも礼儀知らず、勝ち負けに拘らずただただ楽しむという私にとっては相性最悪の女だったのだろう。
そんな彼女を最初はあまりよく思っていなかったが次第に仲間も増えてゆき彼女も段々と強くなっていった。最近は認知が増えたことを証明する称号を貰った程だ。同期の傭兵のやつに「お前がここに来た頃より丸くなったな」と複雑そうな顔で言われたくらい私も彼女に流されていた。
ただふと気になることがあった。彼女は私を何故初めに選んだのだろうか、確かに私のマジックには自分自身も自信があると自負している。しかし右も左が分からなかった彼女が扱うにはリスクが高いはずだ。
なぜ、なぜだ?他に良い奴はいるはずなのに私を選んだのか。すると彼女はこう答えた。
「なんか分からなかったというか…気分?なんかセルヴェとは気が合うような気がしたんだ〜」
「…たったそれだけか?」
「うん、それだけ。最初はセルヴェつんつんしてたけど今はこうやってお茶しながら話してくれるじゃん?だから私は頑張って色んなこと覚えたの」
それから彼女は私との思い出を話し始めた。新しいサバイバーに嫉妬した私の話、私が右も左も分からない彼女と出会った時の話、思い出す度にもやもやと恥ずかしい気持ちがこみ上がってきた。
「いや、もう充分だ。お前が私の事を気にかけていたのはよく分かった…分かったから」
「分かってくれたらいいよ、これからも一緒に戦ってこうね。私の相棒さん」
「あぁ、これからもよろしく頼む…A」
私が帽子を深く被ると彼女は目を見開いて私の部屋から大広間に走っていき私が名前を呼んでくれた!とはしゃぎながら大声で皆に伝え始めたのだ。最初はそのままにしたが傭兵の名前を呼んだ時はさすがに止めさせた。
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薄荷ゼリー(プロフ) - 通りすがりさん» コメントありがとうございます、更新率は低下してますが今後もご愛読頂ければ思いますm(*_ _)m (2021年12月28日 12時) (レス) id: a93fc2bc72 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - ドキドキする話やクスッとくる話、色々あって読んでてとても楽しいです!(≧∇≦)応援してます⸝⋆* (2021年11月20日 15時) (レス) @page11 id: 2f87ec2489 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薄荷ゼリー | 作成日時:2021年6月14日 20時